肆・神様は旦那様【QK】

雑務担当のお姉さんとハプニング ページ43

「Aさん！俺と一緒にテレビ出てください。」
「え？テレビ？」

お昼下がりのオフィス、
コーヒー片手に資料を作成していると、
福良くんにテレビのオファーを受けた。

話を聞くと、お昼のあの番組への
出演が決まったらしいが、今回のテーマが料理。

クイズや知識はなんとかなる(する)とのことだが、
料理の作業に不安が残るらしく、
アシスタントと言うことで私に白羽の矢が立ったらしい。

「私は良いけど、私でいいの？」
料理のアシスタントや作業なら
他の出演者さんでも良い気がするが。

「Aさんが良いんです。
Aさんなら打ち合わせも余裕持ってできるし、
俺の無茶振りも拾ってくれるでしょ？」
ニコニコと優しい顔で、えぐい事を口にする福良くん。

「え、何か無茶振りするの？」
「する予定はないですが、
もっとQK知ってもらうチャンスだとは思うので
いつものノリで行こうかと思います。」

それは、テレビ用の他所行きではなく
動画用の若干身内気味のノリという事で…

「面白いとは思うけど、飛ばしすぎないでね？」

果たして、テレビを見ている層にはウケるのだろうか？

実験的な要素も兼ねて今回は私との出演を決めたそうだ。

「河村くんには言った？」
「言いましたよ。言ったら、そこでコッチを睨んでます。」

福良くんの指差す方を向くと、
ジト目で睨む河村くんがいた。

「あれは、納得しているの？」
「納得はしていないですけど、
仕事だって言ったら渋々了承しました。」
「社会人だね。」

しょうがない、また後で甘やかしてやろう。

番組側も、私の半面での出演はOKとの事だったので
緊張はするが福良くんもいるしなんとかなるだろう。


そう思っていたのだが、

事件はやっぱり起きるもので…

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