肆・神様は旦那様【QK】

雑務担当のお姉さんと何 ページ28

大会まで残りわずか。
オフィスの慌ただしさは尋常ではなかった。

「あれ？これ手配した？！」
担当スタッフが手配書を持ちながら声をかける。

「あ、それ私しといたよー。これ、確認書。
手配関係のチェックリスト共有に入ってるから確認、チェック忘れないでね。」
「わかりました、ありがとうございます！」

微力ながら私もお手伝いをさせて頂いた。

「会場の打ち合わせ行ってきまーす。
追加事項あればメールしてて下さい。」

はーい、行ってらっしゃい！っと、
声を聞き私はオフィスを出た。

電車に揺られ会場がある駅まで向かう。

あ、そうだ。
せっかくだから、駅から会場までの動画撮っとこう。

ここに来る学生が道に迷わない為に、
使われるか分からないが不安事は少しでも取り除いてあげたい。

電車を、降り私はスマホのカメラを動画モードにし歩き始めた。

あ、ここ目印になりそう。
そう思ったところは帰りに写真を撮ることにした。


「では、当日もよろしくお願いします。」
「こちらこそよろしくお願いします。」

最終打ち合わせを終え、
再確認事項をまとめオフィスに戻る。

「あ、ここのお菓子美味しいんだよね。
…よし、お土産に買ってこう。」

みんなのモチベーションが維持できるように、
息抜き用にお菓子を買って行く。

「ただいま戻りましたー。
おやつ買ってきたので、お時間ある人食べてくださーい。」

「お帰りなさい。
あ、これAさん好きなやつですね。
美味しいですよね、頂きます。」

通りかかった河村くんがおやつを手に取り、
自分のデスクに戻る。

なぜか、その背中から目が離せない。

忙しく過ぎる今、
こうやって河村くんとすれ違うだけで幸せを感じる自分がいて。

思ったより、疲れていて河村くんが枯渇していることに気づいた。

ひと段落したら、少し甘えてみてもいいだろうか？
とりあえず、今はその気持ちに蓋した。

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