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「あ…河村くん。…会えてよかった。」
「え?」
儚げに綺麗に笑う彼女。

僕は、

Aさんが消えてしまう

そう思った。

「…伊沢が心配してますよ。一緒に帰りましょ?」
僕も心配してましたけど、っと付け加え彼女の手を握る。

「拓司…、うん、そうだよね。ごめんね、心配かけて。
1人で帰れるから大丈夫だよ。河村くん、ありがとう。」
僕の手を剥がし、立ち上がろうとするAさん。

「ダメです。女性1人では帰せません。一緒に帰りましょう。」
握った手に少し力を入れる。
どうしようと焦る顔をするAさん。

「…帰りたくないなら、僕の家に行きますか?」
とにかく今は彼女を1人にしてはいけない。

「えっと、けど…。」
どうにかして、1人りなりたそうなAさん。

ポツ…

「あ、雨。」

先程まで晴れていた空には
いつの間にか厚い雲が覆い、
1粒ずつ落ちてきたソレは群れを成して落ちてくる。

「Aさん、とりあえずあそこに入りましょう。」
僕は彼女の手を引っ張り、目に入ったホテルに入った。

比較的落ち着いた照明と調度品とは、
相反しあからさまに大きなベッドに
何の意味がるのか分からないガラス越しの浴室が、
そう言う場所だと知らしめる。

部屋から覗くことができる浴室の窓のカーテンを締める。

「Aさん、先にシャワー浴びてきてください。」
「えっと、うん。ごめんね。」

内心好きな人が壁一枚隔て、
シャワーを浴びるのは気が気ではないが、
それどころではない。

彼女を見送った後、伊沢に電話をする。

•*¨*•.¸¸♬︎

「河村さん?A見つかりましたか?」
「うん、今一緒に雨宿りしてる。」
「…どこですか?迎えに行きます。」
僕の言葉にピリつく伊沢。

「伊沢、今は僕に時間ちょうだい。」
きっと、今帰ってもAさんはまた何処かに行ってしまうし、伊沢も気持ちがもたない。

それに、ここで他の男に好きな人を渡すほど僕だって野暮じゃない。

けど、伊沢の力も必要で、
「雨、朝まで止まないらしいから、
明日の朝にはちゃんと送ってくから、
Aさんのこと待ってて欲しい。」

「河村さん…わかりました。家で待ってますから。
A姉と一緒に帰ってきてください。
その後、AのQuizKnockへの勧誘手伝ってください。」
「ふふ、分かったよ。」
「絶対ですよ。」
ピリついた空気から少し落ち着きを取り戻した僕達。

3→←お姉さんと学生くんと夜明け



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檸檬(プロフ) - あさこさん» コメントありがとうございます。なんとか完結できました!特に自己満が強い作品だったので皆さんに読んで頂けているか不安でしたが、そう言って頂きとても嬉しいです。亀更新ですが、これからも「神様は旦那様」をよろしくお願いします(*^^*) (2022年6月12日 22時) (レス) @page20 id: 172bcaf806 (このIDを非表示/違反報告)
あさこ(プロフ) - はじめまして、あさこと申します。いつも楽しみに読ませていただいています。「お姉さんとがくせい君」気になっていたので完結してくださり、ありがとうございます。これからも楽しみにしています。無理のない程度に続けていただけると嬉しいです。 (2022年6月11日 21時) (レス) @page27 id: cc644d22e4 (このIDを非表示/違反報告)
檸檬(プロフ) - 立夏さん» コメントありがとうございます!「お姉さんと学生くん」…!全て自己満シリーズですが、中でも自己満のお話だったので、そう言って頂けると嬉しいです。ありがとうございます。 (2022年5月29日 17時) (レス) id: 172bcaf806 (このIDを非表示/違反報告)
檸檬(プロフ) - ayuさん» コメントありがとうございます!嬉しいお言葉ありがとうございます。 (2022年5月29日 17時) (レス) id: 172bcaf806 (このIDを非表示/違反報告)
檸檬(プロフ) - あうるさん» コメントありがとうございます!全部拾えるか分かりませんが、ぜひリクエストお待ちしております\(^o^)/ (2022年5月29日 17時) (レス) id: 172bcaf806 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:檸檬 | 作成日時:2022年5月1日 22時

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