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お姉さんと学生くんと夜明け ページ22

side you

スマホも財布も持たずに、
部屋着、サンダルと言う無様な格好で夜の街を歩く。

もう、どうでもいいのだが、
私に残る少しの羞恥心が無意識に、
人気のない所を選んで歩いた。

どこに行こう?
否、どこでら終わらせようか。
私の頭の中はそれがグルグルと回っていた。

高所恐怖症の私は高いところには登れない、
海に行こうかとも思ったが、溺れるのは苦しいらしい。
長い紐も何も無い。

終わらすことを考えてるのに、
理由をつけてその方法を潰していく。
結局私は自分勝手で、生に執着しているらしい。

「…滑稽だな。」

さて、どうしよう。
私は家に帰ることも、死ぬことも出来ず、
公園のベンチに座り見えない星空を見上げた。

還るならやっぱり水がいい,
なら、海に向かおう。


けど、その前に…

最後に河村くんに会いたい。

何故かそう思った。



side kwmr

家に帰ると、伊沢からの電話が鳴る。

「どうしたの?」
「河村さん!Aが!Aがっ!」
「Aさんが?伊沢落ち着いて、ゆっくり話て。」
慌てる伊沢を落ち着かせ、Aさんが消えたことを聞かせれる。

「シャワー浴びるてる間に電話があって…
終わってAの様子を見に行ったら、
部屋にもどこにも居なくて…
Aのサンダル無くなっていて…
財布とスマホは家に置きっぱなしで連絡も取れなくて
…河村さん、俺どうしよう?」
泣きそうな声、いや泣いてるのかもしれない。

「居なくなってそんなに時間経ってないだろ?
まだ、近くにいるはずだから探しに行こう。
何も持っていないなら、徒歩でしか移動しないだろうし、僕も今から向かう。
Aさん行きそうなところとか無い?」

通話を終えると僕は伊沢の家の方向へ向かう。
財布も持っていないとなれば移動は徒歩。
電車に乗るより、時間はかかるが歩いた方が良いと思った。

明るい道を歩いていると、不意にこっちじゃないと感じた。

ボロボロになっている彼女は人と関わりたくないはず、
僕だってそんな時時は誰にも会いたくない。

なんとなく、なんとなくだけど1本裏の道を歩く。
しばらく歩くと公園が見えてきた。
道路から覗くと、ベンチに1人座っているのが確認できた。

「Aさん…?」
虚ろな目をして空を見上げる彼女を見つけた。
僕はAさんに駆け寄った。

「Aさん!」
僕の声にビックリするAさんがコチラを向く。

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檸檬(プロフ) - あさこさん» コメントありがとうございます。なんとか完結できました!特に自己満が強い作品だったので皆さんに読んで頂けているか不安でしたが、そう言って頂きとても嬉しいです。亀更新ですが、これからも「神様は旦那様」をよろしくお願いします(*^^*) (2022年6月12日 22時) (レス) @page20 id: 172bcaf806 (このIDを非表示/違反報告)
あさこ(プロフ) - はじめまして、あさこと申します。いつも楽しみに読ませていただいています。「お姉さんとがくせい君」気になっていたので完結してくださり、ありがとうございます。これからも楽しみにしています。無理のない程度に続けていただけると嬉しいです。 (2022年6月11日 21時) (レス) @page27 id: cc644d22e4 (このIDを非表示/違反報告)
檸檬(プロフ) - 立夏さん» コメントありがとうございます!「お姉さんと学生くん」…!全て自己満シリーズですが、中でも自己満のお話だったので、そう言って頂けると嬉しいです。ありがとうございます。 (2022年5月29日 17時) (レス) id: 172bcaf806 (このIDを非表示/違反報告)
檸檬(プロフ) - ayuさん» コメントありがとうございます!嬉しいお言葉ありがとうございます。 (2022年5月29日 17時) (レス) id: 172bcaf806 (このIDを非表示/違反報告)
檸檬(プロフ) - あうるさん» コメントありがとうございます!全部拾えるか分かりませんが、ぜひリクエストお待ちしております\(^o^)/ (2022年5月29日 17時) (レス) id: 172bcaf806 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:檸檬 | 作成日時:2022年5月1日 22時

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