イメージ・プレイリスト2【JW青桃/赤緑】

４ ページ46

.






「もう絶対今日無理やん…
あー流星に帰さすなとか言わんかったらよかったぁ！」


「まだのんちゃんから
連絡こんってことは成功したみたいやしな」


「くっそぉ……久しぶりに結構期待してたのに…」




項垂れるようにテーブルへ突っ伏すしげ。


それに俺は顔を逸らしながら、
ソワつく体を丸めて膝を抱える。




「………別に、終わるまで待てばええやん」


「そんなん絶対神ちゃんの門限超すって。
どうせ小瀧から長電話くるやろ？ すぐ22時なるわ」


「やから……
っ、そのあとからで、ええやん、ってば…」


「……は？」




パッとしげの顔がこちらに向けられたのが分かった。


横目で見ると表情は固まったままのしげがいて
そのタイミングで一度息を吐く。


そしてどうも理解するのが遅いしげへと
拗ねたまま目を合わせてやった。




「俺やって……
帰したないって言われんの、待ってるんですけど…」




何もしげだけが
甘い雰囲気を求めてたわけじゃない。


特に最近は流星とのんちゃんのことが気になって
2人でいる時もその話が中心だったから。


そうして今2人が幸せになれたからこそ
ご無沙汰となってる恋人らしいことに
期待してしまうのは俺だって同じ考えだ。



だからこそまだ驚いて思考が停止してるしげへ
今度は自分から擦り寄るように近づく。


それから彼の手を取って、
そっと俺の頬へ当てるように持っていったあと。




「なぁ…しげは言うてくれんの？」


「──っ、」




静かに。


ヒクリと彼の喉が動いた。



同時にダメ押しのように
俺からキスをして体を離す。



ほら。

さっさと言わんと
もう今日は触らしたらへん。


せやから早くこっち来てや。


それから、大切なことは目ぇ見て言って。




「…かみちゃん、」




甘ったるくて、余裕のない声。

目線だけをしげへと向ければ、
照れた赤い顔の中にどんどん
隠そうともしない独占欲が強く滲み出していた。



ああ。ごめんのんちゃん。

ちょっと今は
すぐに連絡取れそうにないみたいやわ。









END

作者から→←３

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す