.。 ページ38
.
「え？」
俺のことを見ていたしげが
驚きに目を見開いている。
え。俺そんな突拍子もないこと言うた？
「いや。高校の時もそうやったけど、
なんだかんだ大学入っても恋人作ってへんやん？」
「え、えっ、なに、神ちゃん欲しいん？」
「んー。今は別に要らんかなぁ。
けど世の人たちはこの季節必死やったやん？」
「まぁあちこちに滑り込みカップルは出来たな」
「やろ？ そこで思うんやけど。
しげはまだしも俺は作れる気がせんのよね」
「そらそうや」
「おいディスんのか」
「あっ、いや、違う！
そういう意味ちゃうくて、作らしてへんっていうか」
「どういうこと？」
「いやなんでもない。ってかなんで俺はまだしも？」
「え？ しげモテるやん。
告白されてんの知ってんで」
「え。なんで知ってんの」
「だってたまに俺にしげのお願いされるもん」
「はぁ？！ なにそれ初耳なんやけど！」
「言うてなかったからな。けど大丈夫。
しげ興味ない言うてるから、全部断ってるし」
「それは…ありがたいけど…」
「でな。俺思うねん。
これは俺にも恋人が出来ひん原因があるなって」
思い返せば俺だって中学生辺りまでは
珍しいことに男女関係なくそこそこモテていたのだ。
それがキッカケで自分の恋愛対象が
曖昧なことにも気づいたし、
なんなら実際どちら共と付き合ったことだってある。
まぁ。
キスさえない手繋ぎ程度の中学生のお付き合いを
果たしてカウントしていいのかとも思うけれど。
しかし中3のクラスでしげと出会って
友達と遊ぶ楽しさに浸りすぎてしまったらしく、
気づけば完全に恋愛から遠ざかってしまった。
高校では流星と一つ下ののんちゃんにも出会って
そこからまさかの大学もみんな一緒。
去年なんてのんちゃんが入学してから
更にコミュニティが出来上がってしまい、
未だにずーっと青春まっしぐらな感覚だ。
だからこそ、より恋愛に疎いことは自覚している。
高校に入ってからはしげと一緒にいすぎたのか
告白もパッタリ無くなってしまったし。
思えばいくつも原因が出てきそうではあるけれど、
その中でも特にこれという理由というものを
頭にいくつか浮かべてみる。
そして目の前で黙って俺を見ているしげに、
その沈黙を壊すようにこちらから口を開いた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 301人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
かみぶくろ(プロフ) - foolさん» お返事遅れてすみません！そして最後までお読みいただきましてありがとうございます…！foolさんにコメントいただけて本当に嬉しいです！これからも赤緑は書いていきたいので、またご縁があればよろしくお願いします☺️💕 (2023年2月4日 16時) (
レス) id: d8343dd607 (このIDを非表示/違反報告)
fool(プロフ) - もし移行して続編あるなら飛んできます〜赤緑よろしくお願いします🙏 (2023年1月28日 23時) (レス) id: 5c064e1f18 (このIDを非表示/違反報告)
fool(プロフ) - 3曲目が個人的にドストライク過ぎて💕緑くんの鈍感ながらの葛藤と、溢れ出ちゃってる赤くんの愛情、たっぷり堪能させて頂きました〜💕もう自分で書かんでも良いかーと思っちゃって🤣というほどに楽しんじゃいました💕 (2023年1月28日 23時) (レス) id: 5c064e1f18 (このIDを非表示/違反報告)
かみぶくろ(プロフ) - amさん» ご感想の通り、赤さんの大胆な言動やアシスト場面はめちゃくちゃ楽しく書いてました！笑 そして青桃はまさに感じ取っていただいた塩梅を意識してるのでめちゃくちゃ嬉しいです！その上曲まで知ってくださったようで、感無量でごさいます！ありがとうございます🥰 (2023年1月15日 1時) (レス) id: d8343dd607 (このIDを非表示/違反報告)
かみぶくろ(プロフ) - amさん» コメントありがとうございます🙏そしてもうなんとお返事すればいいのでしょうか…！あまりにも嬉しすぎるお言葉ばかりでハグしてしまいたいほど喜んでおります！！本当にありがとうございます！✨ (2023年1月15日 1時) (レス) id: d8343dd607 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：かみぶくろ
| 作成日時：2023年1月7日 0時
