あかん、めっちゃ好き。【赤緑】 (ページ9)

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［マジで結構です］ページ9

青side

ピーンポーン

学校もない土曜。

アポ無しで来てみたのは
暇だと言ってた友達であるしげの家だった。

「……あ？あいつ寝とんか？」

昼過ぎの時間帯。

いつもならすぐに出てくるくせに
今日はやけに遅い反応だ。

仕方ないから電話でもしようか。

(……いや待てよ)

それならこのまま反応無しってことで
戻ってもいいんとちゃうか？

うん。せやなそうしよう。

そうと決まれば一応チャイムを押し直して、
コンコンっとノックまでしておく。

「おーいしげ〜。おらんのか〜？」

はい。OK。

俺はちゃんと声掛けまでしたからな。

ちょっとした工作もほどほどに、
3秒待って道を引き返そうと
ドアへ背を向ける。

けれどその工作は
少しやり過ぎたんやろうか。

いきなり家の中から
バタバタ音が聞こえて来て
ガチャリとドアを開けられた音がした。

「なに急に」

「え、居ったんかい」

いつもより半分も空いてないドア。

しかもあからさまに不自然な態度で
出て来たしげに首を傾げる。

「寝とったん？」

「まぁな。てかなんの用や。
今日約束とかしてたっけ」

「いや。アポ無しで来ただけ」

「あぁそういうやつな。ごめん今日あかんわ」

「そうなん？なんか予定__」

(うわ…そういうことかよ)

ほぼ顔しか出してないこいつの姿。

家に居たはずのくせに
おでこは汗で滲んでおり、
どこかいつもと違う顔つきに見える。

その上こいつの意識は
家の中へ向いてるかのように目が忙しないのだ。

そこまでくれば
なんとなく察してしまうもので、
一気に気持ちが萎えた気がした。