あかん、めっちゃ好き。【赤緑】 (ページ44)

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赤side

心臓がぎゅうーっと締め付けられて
俺に甘やかす言葉をくれる神ちゃんに
つけ上がるみたいに熱くなっていく気持ち。

あかんやん。もう。

そんなこと言われたら
誰でも調子乗ってまうってば。

「あーほんま……かわい…」

「っ、もう。またそれ言う。恥ずかしいのに」

「無理……可愛すぎるもん…」

正気を保つように天を仰いで深呼吸すれば
照れがキャパオーバーしたらしい神ちゃんが
スタスタ俺を置いてくように歩くのを早める。

その言動さえいちいち
俺のツボを突いてることに気付いてないんか。

マジでそういうとこやと思うで。

それでもそうやって振り回されながら
夢中になるのはやっぱり心地いいもんで。

「神ちゃん」

「…なに」

「んふふ。手ぇ繋ごーや、ほら」

拗ねたように歩く彼に笑いながら
隣へ並んで差し出す手。

今度は、ちゃんと握り返すから。

そう思いを込めて微笑みながら目を合わせれば
赤い顔を逸らしながら体温が重なる手のひら。

「ありがとう」と伝えて
指を絡めるように繋ぎ直せば
応えるように力を入れてくれたのが分かった。

今日もまた懲りずに俺は
神ちゃんに恋をしてしまったようだ。