あかん、めっちゃ好き。【赤緑】 (ページ43)

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赤side

「っ、」

うわぁ…もう……

なにそれ。

ほんま、俺の恋人なんなん。マジで。

語尾にたどり着くまでに弱気になった声さえ
訳が分からないくらい愛おしくて大股で彼の元へ歩く。

それから伸ばされた手に触れた刹那。

「ん、っ、…！」

逃がさないようにしっかりと掴んで
夏の風に髪を揺らされながら神ちゃんを捕まえる。

同時に思わず触れ合わせてしまったのは唇だ。

いつもなら悶えるだけなのに。

今はどうしてか
この溢れそうな気持ちさえこぼしたくなくて、
言葉もなくただひたすら神ちゃんへぶつけていた。

「こ、ら…しげ…」

「っ…」

トンっと胸を叩かれて離れる神ちゃん。

お互い夏の暑さに顔は真っ赤で、
ゆらゆらと彼の目が潤んでいく。

それでも両手で突っ張られてるせいで
これ以上近づくことはできない。

だからゆっくり息を吐いてから
我慢するように隣へ並ぼうと
体の向きを変えた。

はずだったのに。

「……ばか」

「っん！」

ふに…と当たった唇の感触。

理解よりも反射的に横を見れば、
夏よりも自覚した赤い顔の神ちゃんと目が合った。

「早く…帰ろ…」

「っ──」

(うわ、あかん)