あかん、めっちゃ好き。【赤緑】 (ページ5)

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［可愛くないヤキモチ］ページ5

緑side

「なぁ〜見ろやしげ！
俺の彼女めっちゃ可愛ない？！」

「ん？おお〜せやなー」

「おい見てへんやろ。よぉ見ろや！」

「見てるって。ええやん」

俺の席から少し離れて騒がしく行われてる会話。

正直クラスメイトの俺でも
何回聞いたか？ってくらいの内容や。

それに毎回律儀に答えるしげは
携帯をいじりながらも
見せられた画面へ顎をクイっと動かす。

「ちょっと髪も切ってて、
雰囲気もお前好みになってんちゃう」

「えっ……そこ気付くん？！
俺さえ気付いたんデートの途中やで？！」

「はぁ？そこそこ切ってるやん」

驚いてる友達を笑いながらあしらって
画面の彼女を指差す。

友達はそれを聞いて感心しており、
肩を組みながらしげを揺らした。

「お前、やっぱそういうところよな！
やっぱモテるヤツは違うわぁ！」

「いやいや。ちゃうやろ。笑
まずは彼女の変化にすぐ気付くようになれや」

「それはそうやけどぉ」

「それに。多分これお前のために可愛くしてると思う。
自分のために頑張ってくれてんねんから大事にせぇよ」

「やば。ぐうの音もでぇへん正論持ってこられた」

「……」

(ごもっともすぎる正論やな。やけど…)

次の授業に使う教科書とテキストを用意して
知らんぷりしながら携帯を取り出す。

ロック画面が表示される前に映った自分は、
情けないほど可愛くない顔をしていた気がした。