あかん、めっちゃ好き。【赤緑】 (ページ39)

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緑side

「あ、行く前に神ちゃん」

「ん？」

「チャック。
濡れて気持ち悪いやろうけど上げとこな」

「ああうん」

日焼けすると肌が赤くなりやすい俺。

そのせいなんか、
昔からチャックやボタンはよくしげに言われて
首元までしめるようにしてる。

夏場なんかは特に注意してくれてて、
海パンだけでウロチョロしようもんなら
すぐにパーカーを持ってくるほどだ。

「ほんま気ぃつけてや？
ヤカラはあちこち居るから」

「え、なにしげ。
日差しのことヤカラって言うん？笑」

「いや日差しというか……いや、うん、まぁそう」

「ふふっ。大丈夫やのに。
ちゃんと日焼け止めも塗り直してるし。ほら！」

「ちょっ、見せたらアカンって！」

閉まってるパーカーを上げて、
塗ったばかりのお腹を見せれば
戸惑いながら目線が海へ向くしげ。

そのくせちゃんとパーカーには手をかけていて、
勢いよくお腹を隠された。

全くもう。

(ちょっとはドギマギしてくれたらええのに)

こっちは濡れ髪姿のしげも、
浮き輪を付けて海の中でしがみついた時に感じた
筋肉のあるしげにもドギマギしっぱなしなんやから。

しげだって俺にも
どっかドキドキしてくれたってええやんか。

「俺も鍛えるべきか…？
いやでもあの腹筋は無理…」

「ん？なんの話？」

「っ、ううん！なんも！」

なんか。

しげはずっとズルいな。