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緑side
どことなくしげが好きそうな可愛いめの後輩ちゃん。
そう付け足して言ってあげれば
申し訳なさそうに「へぇ」とだけ。
「ちょっと。反応薄ない？」
「いや嬉しいよ。
でもこれが1番嬉しかったからさぁ」
「即席のそれが？笑」
「うん」
大事そうに眺める俺からの手紙。
昼休みに後輩ちゃんから手紙を預かって、
腹いせにコンビニで買った便箋セットなのに。
内容も俺が片思いしてた頃の気持ちを
シンプルに簡潔に変えて書いただけ。
それなのにそんな愛でるように
見んといてほしい。
「あっ。そうや神ちゃん」
「ん？」
「俺も明日これの返事渡していい？
書いて持ってくるからさ」
「しげもやんの？笑」
「うん。俺もラブレター書きたい」
「んふふっ。いいよ。あ、じゃあ便箋あげる」
まだ残ってる便箋を取り出して渡せば
ワクワクした顔で受け取るしげ。
なんか…貰うって分かってると、
ソワソワしてまうな。笑
「よし。帰ろっか」
「なんなら一応ここでも返事しとく？」
「ええから。笑
イタズラやって分かってるやろ？」
「だってほんま可愛いことしてくれるからさぁ。
おかげで現代文なんも頭に入ってこんかった」
「大袈裟やなぁ」
「マジやって。
むっちゃ嬉しいのに声出せんくて地獄やった」
音楽室を出て、人も少ない廊下。
ささっと学校を出ればまたいつもの帰り道で
しげがご機嫌にこっちを向く。
肩が触れる距離。
目が合えばお互い恥ずかしくて、
すぐに視線が外されてしまった。
それでもこっそり当たった手の甲は
どちらも離そうとしないまま。
まるで2人の気持ちが合わさるかのように
触れ合ったまま同じ歩幅で足を進めていた。
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作者名：かみぶくろ
| 作成日時：2024年3月1日 23時
