あかん、めっちゃ好き。【赤緑】 (ページ30)

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緑side

「神ちゃん。この子どこにおる？」

「……へ？」

現代文の授業を終えてすぐ。

残り一つとなった数学の教科書を出して、
ボーッと外を眺めていたら
いきなりしげがこちらへやって来た。

あろうことか、白い方の手紙を持って。

「あー……ごめん。そこまでは分からん」

「そっか。じゃあさ…
この子にもし会ったら言っといてくれん？」

放課後、音楽室で待っててほしいって。

…なんて。

俺にとっちゃそこそこ酷い言葉。

なのに目線も合わせず言われて、
こっちの気分はちょっと傾くのを感じる。

「……分かった」

「絶対に会いたいから。頼むで」

なに。

いつもはそんなこと言わんくせに。

意外にも今回は前向きなようで
ちょっと拗ねながら頷いておく。

こんなことなら渡さんとけば良かった。

なんて。

(いや…俺も悪いことしてるし、仕方ないか)

……でも。

うつつ抜かすくらいなら、
ちょっとは痛い目あってもらってもええかな？