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緑side
「しげ」
「んぉっ、？」
もうこうなったら。
ちょっと……
いやだいぶ変やけど…！！
「……っちょっと、ごめんなさい！」
「え？ え？」
周りの友達から背を向けるように割り込んで、
しげしか見せないように体を合わせる。
それから今日は珍しく
きっちり留めてる自分のシャツのボタンを
2つだけ外した。
「ぇ…」
しげの視線が下へと動いたのを見計らって、
ボタンを外したシャツを指先でクイッと下へ引っ張る。
すれば反射的に彼の口が固く閉じて、
驚くように目が丸まった。
「しげも…こういうことなので……
今日はなるべく我慢してほしい…です」
「……ま、じ…？」
昨日から泊まりの俺ら2人。
それでいて朝準備する時に
問答無用でしげが俺のシャツのボタンを留めてきたのは
多分そういうことだろう。
だったら2つもボタン外せばありますよね。
俺にもしげからのソレが。
だからハッキリと見せて伝えたつもりだけれど、
まだ情報処理が出来てないらしいしげの顔が
どんどん赤く百面相へと変わっていく。
「っ、とにかく…そういうこと…！」
「は、はい」
「……っ」
(んも、そんな顔せんといてよ俺まで移るやんか…！)
今色んな感情に襲われてるであろうしげの表情。
それを俺に向けられると
やましさと恥ずかしさでいっぱいになってしまう。
だって俺も同じ感情やねんもん。
まさか自分が何も言わずに
そんなことするって思ってなかったんやから。
でもそれはその……
また色々とあるもんやん…！
せやから多分昨日の俺は
勢いでつい魔が刺したというか、なんというか…
そもそも辛いもん食べると思ってなかったから…！
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作者名：かみぶくろ
| 作成日時：2024年3月1日 23時
