あかん、めっちゃ好き。【赤緑】 (ページ24)

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緑side

「うぉっ？！」

「は？神山？」

「どした急に」

ボタンが外されて、
おもむろにシャツを広げようとしたしげの手を
全力で掴みながら止めたあと。

周りにいた友達の驚いた声が聞こえて、
咄嗟に動いてしまった自分の奇行に
ようやく我に返った。

「か、神ちゃん…？」

「…っ、」

(やばいっ…なんも考えず、つい…！)

いやでも、だってっ。

こうでもせんとあれが…！

焦って動いたものの、
言える訳がない事情しかなくて
体中が恥ずかしさで熱くなる。

目の前で阻止されたしげも
分かってない顔のまま戸惑っていて、
とりあえず力が入った手を外すことにした。

「ご、ごめん…」

「あ…いや、別に。なんかあった？」

人前でこんな状況になって
しげと話すことは少ない。

秘密にしてるから当たり前や。

だからぎこちない雰囲気が流れてるのも分かって、
余計に過去の自分を恨みそうになった。

「その……あんま、制服崩したらあかんと思って…」

「え？」

「っ、だから、その…」

ポカンとしたしげの顔。

うん。分かってるよ。

いくら真面目な性格してる俺でも
この学校の校則が緩いのは知ってるし。

なんなら俺の方がラフに崩してるし。

ああ、だから。つまり。