あかん、めっちゃ好き。【赤緑】 (ページ19)

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緑side

「大丈夫？揺れてない？」

「ん」

一方的に先生へ報告したまま
慎重に歩くしげがこちらを見て伺う。

ぶつけた直後はフラッときたけど
恐らくたんこぶ程度で済むヤツだ。

むしろボーッとして
あんなクリティカルヒットを決めた方が
今は恥ずかしいくらい。

「失礼しまーす」

「おぉ？どしたどした」

結局おんぶで保健室まで連れられれば
中にいる先生がこちらへやってくる。

それから簡単に説明し終えれば
待とうとするしげに断りを入れて
軽く処置だけお願いすることにした。

「はい。OK。
多分大丈夫やと思うけどなんかあったら来てな？」

「はぁい。ありがとう先生」

「あいあい」

おでこと頬へ
一応の冷えピタを貼ってもらって
そそくさと退室。

念の為このあとは
見学するように言われたから、
体育館に戻れば隅っこでゆっくり出来るだろう。

「おわっ、びっくりした」

「……」

体育館の扉の前。

てっきりもうコートに戻ったと思ってたしげが
むすっとした顔で俺を待っていた。

「やっぱり酷いやん」

「そんなことないって。一応やから」

「……でもさぁ」

「なにーよ。なんでそんな拗ねてんの」

「だって大切な人の顔やん。
俺めっちゃヒヤってしてんからな？」

割れ物を扱うように
そっと優しく頬を撫でられる。

大丈夫だというようにその手を掴めば、
一度だけ彼の腕の中へと収められた。