あかん、めっちゃ好き。【赤緑】 (ページ17)

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赤side

「あっ…今何時？チャイム鳴るっ！」

「え？戻んの？」

「戻るよ！遅刻回避した意味ないやん！」

ほら！もう戻ったやろ？

ってまだ耳がほんのり赤いまま聞いてくる恋人。

それでもさっきまでの甘さは引いてきたから
渋々許可するしかないのだろうか。

すっかり許されたと
トイレから出て行く神ちゃんを見ながら
複雑な気持ちにため息をつくしかなかった。

「あっ。そうや。しげ」

「ん？」

「あのさ」

数歩先を歩いていた神ちゃんが
くるりと振り返ってこちらへ戻ってくる。

それから誰もいない周りを見渡したあと。

グッと服を引っ張られて、
内緒話をするように耳へと唇を寄せられた。

「今日、─…… 」

「……はぇ…」

小さく吹き込まれた言葉に
ダサい声が上がる。

直後にはドカンっと心臓が
あり得ないほど大きく動いて、
血流を激しく変えていった。

その挙句。

「っ、しげだってその顔…どうにかして来てよ…！」

「えっ……えぇ〜…」

照れ隠しに吐き捨てた言葉を残して、
教室へ小走りで戻って行く神ちゃん。

それに俺は足の力が抜けるみたいに
しゃがみ込むしかなかった。

だってそれはつまり、そういうことやったんやから。