３ ページ16
赤side
「でもっ…これは、俺のせいばっかちゃうから…っ」
「なにが」
「っ……」
恥ずかしそうな顔。
でも、折れてやらへん。
ジッと見つめ続けていれば
観念したように息を吐く神ちゃん。
同時に拗ねるように口を尖らせたのが分かった。
「だって……最近、その、回数が多いから…」
「はい？」
「っ、いっぱいしすぎなん…！
やからその気になったらなかなか収まらんの！」
もう前だけじゃ無理やし…
ほんなら我慢するしかないやん！！
朝は時間無いんやから！
そう、最初はヤケクソに言い放ちながら、
だんだん消え入りそうな声で白状した神ちゃん。
その内容に頭が上手く追いつかないままで
思わず言葉を失う。
だってそれはつまり、そういうことだからだ。
「っなにそれ……えぇ…、なにそれマジで…」
顔面を覆ったまま天を仰ぐとはこのことだ。
でもこんなに可愛い恋人から
衝撃的なことばかり並べられて
ショートしないヤツがいるか。
いやおらん。
だって、つまりそういうことなんやから。
「はぁ……とりあえず分かった」
「うぅ…ごめん。はしたなくて…」
「いや…それはまぁ…俺も理由やから」
なんなんやマジでこの男は。
こんなことある？？
確かに最近俺がっつき過ぎてるなぁって
自覚はあったけど！！
でもまさかこんな影響するとは
思わん訳で…！
「うぁ…めっちゃ複雑や…」
「なに」
「嬉しいのに……周りに見せたくない…」
彼氏名利に尽きる言葉ではあるが、
それゆえの事態が起きるのは嫌だ。
「とにかく神ちゃん。
お願いやから気をつけてな？」
「ん。まぁでも…しげ以外にはバレてないやろうけど」
「分からんやん。
神ちゃんのことよく見てたら気付くかもしれんし」
「それは無いやろ。
俺なんか気にされてないって」
「はぁ〜…ちゃうねんなぁ〜〜」
んまあ…そこは常に俺が見張ってるけど…
生憎近付こうとする輩は今のところ居らんし。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 421人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：かみぶくろ
| 作成日時：2024年3月1日 23時
