あかん、めっちゃ好き。【赤緑】 (ページ15)

今日:57 hit、昨日:152 hit、合計:77,642 hit

２ページ15

赤side

結局連れ出したのは男子トイレの1番奥。

誰もいないことを確認してから
そこに少々乱暴に入って鍵をかけておく。

さっきから黙ってついてきた神ちゃんは
薄々予想はしてるのか大人しいままだ。

だからこっちもとりあえず深呼吸してから
遠慮なく俯く神ちゃんの顎を掴んで目を合わさせた。

「なんでそんな顔してんの」

「っ…」

目が潤んで、ほんのり赤い耳。

ズバリ言い当てたらしい。

再度つま先からてっぺんまで
ゆっくり見てから首を傾げてみる。

「なぁ神ちゃん。俺らのこと秘密なんやろ？」

「しげ、待っ、」

「なら……なんで他の奴にその顔見せてんの」

逃げないように腰を引き寄せて、
首筋に唇を当てる。

トイレの外ではガヤガヤした騒音が立っていて
慌てたように神ちゃんが俺の胸元を押した。

でもまだちゃんと答えをもらってないのだ。

離してやる訳なんかない。

「もしかしてソレで遅刻しそうになったん？」

「待って、あかんやめて」

「なら先に答えてや」

そんな欲しそうな顔して
よくもまぁ何食わぬ顔で
クラスメイトと話してたわ。

この神ちゃんは、絶対に誰にも見せたくなかったのに。

「っ、俺だって、我慢したかったんやって、」

「我慢？これで出来てるつもり？」

「だっ、て…遅刻すんのは嫌やん…」

朝からムラつくことはそりゃ誰だってあるやろう。

でも神ちゃんがそうなるのは許さん。

他の奴は別にどうでもいいけど、
その顔しちゃう神ちゃんは絶対あかんやろ｡

モテるとか…

いつも俺のことばっか言うけど、
神ちゃんこそなかなかコアな奴らに
好かれてんの知らんのかな。