＊ ページ31
zm side
「ゾム。おいで」
目の前で手を広げて笑いかけてくれたのは母さん
俺より少し明るい髪色と、同じ翡翠の瞳
春のように暖かく、足元には花畑
風に乗って舞う花びらが流れてゆく
zm「…母さん、やんな？」
「ゾムったらどうしたの？どこか調子悪いの？」
zm「いや、大丈夫」
そう言って母さんの方に行こうとするが、足が動かない
足元を見るとツタが絡まっていて、動きを封じているようだった
千切ろうとしても千切れない
動けない
ツタをどうにかしようと凝視していると、ツタから花が咲いた
その花は、俺がいつも遺物を使って咲かせる花と同じ
秘密の花が咲かせるものと同じだ
この花に宿る俺の罪悪感は、幻覚でも尚母さんに近づかせてくれない
どうしても、謝りたいのに
これが幻覚だなんて知っている
推測だが母さんを殺せば解けるのだろう
一度やった事じゃないか
どうして、手足が震えてるんだろう
kn side
気がついたのは空の上
誰かもわからない人間が俺に笑いかける
いや、人間じゃない。俺と同じ天空人
周りを見回すと、天空人がたくさんいた
よく、わからない幻覚やな
A含む他のメンバーが幻覚を見せられて倒れたのをギリギリ視認してから俺も幻覚に囚われた
あいつらはともかくAが幻覚から帰ってこないと言う事は、帰りたくない幻覚を見せられているのだろう
例えば、死んだ家族とか理想の世界とか
生憎だが俺は親の顔を知らない
物心ついた時からAが遺物を探しに俺の所に来るまで
ずっっっと暗闇で1人だった
kn「こんな幻覚、はよと解かな」
暖かいだなんて
気のせい
.
em side
皆さんが幻覚で倒れてしまった今、できる事はエルフに見つからないようにする事
確か草を媒体に防御魔法を張る方法があったはず
ni「そんなんせんでええ」
em「…どうして」
目の前の人物はその質問に答えもせず、甘ったるい匂いの紫煙を吐き出した
どうして幻覚が効いていないのか
エルフである私は幻覚魔法が効かないが、多種族には多少なりとも効果はあるはず
なのに、なぜ
em「前々から不思議な気配の人だとは思っていましたが…貴方、何者ですか」
ni「しがないただの番犬だよ」
em「……これ以上深追いしないことにします。皆さんを守るのを手伝ってください」
ni「それなら心配いらない。一度エルフに囚われて牢に入れて貰えば比較的簡単に国に入れる」
em「…本気ですか」
ni「俺は術にかかったふりでもしようかね」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 362人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
立夏*Blessing - コメント失礼します、！小説と関係なくて申し訳ないんですけど3年くらい前に話したことある記憶あるものなんですけど覚えてたりしますか、、、？ (3月17日 21時) (
レス) id: 8c955eb6e7 (このIDを非表示/違反報告)
なな - コメント失礼します！夢小説で泣きそうになったのは初めてです…。設定もすごく凄い（語彙皆無）ですし、zmさんのところだけ違うのもまた素敵で好きです！はたしてniさんは何者なのか…考えるのが楽しくて仕方がないです！更新待ってます！無理はしないでください！！ (12月9日 21時) (レス) id: ff8a2b04ae (このIDを非表示/違反報告)
ぽ - grさんがリーダーのようなものをしているのもあって、とても強いという設定を多く見かけるのですが、grさんが普通の子供として書かれているのが新鮮でいいです。杖に使い慣れていないはずなのに使えているのが天空人の強さを表していて素敵です。更新頑張ってください。 (10月22日 15時) (レス) @page22 id: cb2f978ff8 (このIDを非表示/違反報告)
ぽ - 感じました、魔王とアンデットの強さの表現もあり没頭してしまいました…ログインしようか迷うほどです笑、更新頑張ってください、応援しております。最近寒くなったり暑くなったりと寒暖差がありますのでお身体にはお気をつけて…。 (10月21日 14時) (レス) @page21 id: cb2f978ff8 (このIDを非表示/違反報告)
ぽ - わお…だいぶ前の作品もよかったですが今のこの作品は…語彙力がすごく上がっていてかっこいいにもかかわらず笑えるような要素も詰め込んである…さては色んな小説読んで勉強しましたね…？努力を感じます…何よりosとrbrが破壊するところの書き方がとても臨場感？を (10月21日 13時) (レス) @page21 id: cb2f978ff8 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
