06.オオノサンっていう存在 ページ6
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理紗「ちがうの、料理も出来るしイケメンだしでもかわいいの」
「だーかーらー、非リアの私からしたら相当な痛手なんですけど。」
理紗「エプロンつけたときが1番…」
「口縫い合わすよ」
理紗「えやめて」
「じゃあその話やめよ」
理紗「話さないと気が済まない」
「だから縫うんだけど」
理紗「……ごめんなさい」
「よろしい」
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謎のトーク。
……大体、毎回どっかでご飯行くとなるとこんな会話になる。
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で、トークが1通り終わると2人で目を合わせて笑うっていう謎の一連。
……これが楽しくもある。
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スタスタと大野さんではない店員さんがレモンティーとアイスコーヒーを運んでくる。
理紗が「なんで智くんじゃないんだよ」って小声で言ってるのを見て私は笑う。
……やっぱり、あんな口喧嘩してても幼馴染みとして好きなのには変わらないんだなって。
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理紗「でね彼氏がね、肉じゃがを作ったのよ」
「あーはい」
理紗「すっごい！美味しかったの」
「そういうあなたは料理しようとしないのね？」
理紗「別にするんだけど、彼氏が全部やってくれるから」
「…最後のドヤ顔すごくうざかったわ」
理紗「へっへ」
「帰っていい？」
理紗「やめて」
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ふふふ、って笑いあって、
理紗はレモンティーを啜る。私は外を眺める。
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こんな街中に潤くんがいたらなぁ。なんてね。
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理紗「じゃあ、帰りますか」
「そうだね、結構話したし」
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あれからというもの、上司の坂本がうざいとかなんやら
くだらないこといっぱい話してかれこれ2時間。
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智「…340円です」
理紗「はい」
智「ちょうど頂きます」
理紗「レシート結構でーす」
智「うちの店にゴミを増やさないで欲しいので持って帰ってください」
理紗「…はい」
智「あ、理紗じゃない方の女の子」
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理紗じゃない方。と言われたら私を確実に指してるってことで。
顔を上げて大野さんに目を向ける。
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「な、なんでしょうか」
智「名前、聞いてなかったなって。」
「岡田、っていいます」
智「下の名前は？」
「A……です。」
智「Aちゃんね。……また来てよ。理紗は要らないから」
「ふふ、はい。ぜひ。」
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文句言う理紗を横目に、笑った。
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作者名：成瀬莉奈
| 作成日時：2017年8月23日 19時
