26.そわそわもやもや ページ26
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和也「なんつって、俺がそんな言葉似合わないよね。」
「…」
和也「また来てください。今度は俺が担当します」
「はい」
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急に敬語になるとこ。
急に客と店員になるとこ。
急に冷たくなるとこ。
一気に落とされるとこ。ほんとに辛い。
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ムシムシ、私に付きまとう夏の暑さは正直うざかったけど。
私の心に付きまとういろんな感情の方が全然うざいうざい。
……潤くんの言葉と、二宮さんの言葉。
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それが頭から離れなくって、
追い払おうとしてもこびり付いてくるから困ったものだ。
……今日の夜は潤くんとのご飯。それだけは精一杯楽しもうって。
そう言う心意気。
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……それで、
二宮さんにも潤くんにも、会うのは最後にしようかなって。
最後の夏にしようかなって。
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もう、『Color』に来なくていいかなって。
来たら来たで心が渦巻きまくって私の心がもたない気がするの。
……だから、だから。
辛いけど、今日を最後にしようって。
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家に着いて
扇風機つけて
いろんな感情吹き飛ばそうとしたけど
それは無理だった
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お風呂に入って
シャワーで体の汗を流しても
なにもスッキリしなかった
体はサッパリしたのに
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夜の6時。
いよいよ1時間前。
そわそわ。
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可愛くてオシャレな服引っ張り出して
それを着て、鏡の前で１つターンしてもなにも響かない。
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……もう、なんなんだろ。
なにしても納得いかないよ。
どういうこと。
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恋は盲目
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『俺以外の人にこの髪触らせないでもらえる？』
『うるせーな、好きなんだよ』
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あーあ、もううるさいな
そんなこんなで呼応して
メイクしてモヤモヤに葛藤して
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駅前からわりかし近いこの家は
5分前に出たら着くわけで。
でも余裕を持って15分前に出た。
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(いた……)
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まだ薄く明るいこの時間帯。
……明らかにオーラ出してる男が、駅前にはいた。
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作者名：成瀬莉奈
| 作成日時：2017年8月23日 19時
