20.大人でもキュンキュンするラブストーリー ページ20
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髪綺麗だね。
そう言う二宮さん。
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太陽に反射してるからもっと、綺麗に見える。
そう言ったのは潤くん。
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何が違うのかと言えば、
言った言葉。じゃなくて、
言った人。である。
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好きな人に髪綺麗だねって言われたら、そりゃあ嬉しいし、
そんでもって、無関心の人に髪綺麗だねって言われてもまあ嬉しいけど、好きな人に言われるよりかは感動は薄い。
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和也「…A」
「はい」
和也「好き。」
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太陽に反射する二宮さんの黒髪。
二宮さんの涙うるうるな目が私を捉える。
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「え？」
和也「……すき」
「いやいや、んなわけ…」
和也「うるせーな、好きなんだよ」
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告白だって、好きな人にされる方が
無関心の人にされるよりも、
……好きな人にされる方が
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幸せだし、何よりもうれしい。
……はずだ。
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キャラメル色の目が私を捉える。
その目には何故か涙が溜まっており、薄く膜が張っている。
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「…二宮さっ」
和也「こんな弱いとこなんて、滅多に見れないよ。」笑
「…」
和也「恋ってこんなに辛かったっけね」
「……」
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鼻の啜る音を、
返事もできずに、
二宮さんの涙が溢れても、
私は何も出来ずにいた。
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和也「…松本なんて」
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啜り泣く音。
でも、正直私は二宮さんのこと、嫌いではない。
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潤くんと理紗がさっき笑い合ってたあの風景が思い浮かぶ。
……それ見たら、二宮さんと付き合ったら幸せになれるんじゃないかって。
好きではない人と付き合えばいいんじゃん。って。
二宮さんには悪いけど、そうしちゃえばいいって。
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黒い私はそう言うけど。
白い私は潤くんを思い続けろや。って言ってる。
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和也「松本のことなんて、俺が忘れさせてやるよ」
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悪魔の囁き。
低い声。
ニヤリと笑う口角。
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私は、二宮さんのこの顔この行動に弱い。
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「…私は……」
和也「……」
「……まだ、潤くんのことが好きかもしれないです……。」
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白い私の勝利だった。
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作者名：成瀬莉奈
| 作成日時：2017年8月23日 19時
