19.それが、あれが、どれが ページ19
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智「拗ねんなやーニノー悪かったってー」
和也「拗ねてないし」
智「でも、珍しいよね。ニノがこんなに俺の嘘に惑わされんのって。」
和也「そんなことないし」
智「…戸惑った？」
和也「…ってない」
智「んふふ、その言葉であの行動起こしたのかよ」
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二宮さんが拗ねてレジのカウンターに寄っかかってる。
……かわいい笑
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和也「……うるせ」
智「まーあ？Aちゃんも満更じゃなさそうだしー？上手くいくんじゃない？」
和也「…っち」
智「舌打ちすんなや、ニノにとっては嬉しい言葉でしょ？」
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大野さんって何者なんだろう。
二宮さんって何者なんだろう。
気づいたら、2人のことなんて何も知らなくて。
いつどこで何をきっかけに出会ったのかなんて。
2人の空間に入り込める自信なくて。
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智「てかもう、付き合ってんのかな？」
「…はい？」
和也「反応はや」
智「ほら、反応早いからやっぱりそういうことなんじゃない？Aちゃんは意識してるかもよ」
和也「あんたいつか覚えとけよ。席案内しろ」
智「ここ座れ。」
和也「近いとこなんて却下だわ」
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耳が赤い。
それは、私も二宮さんもだった。
……でも、そんなの、
夏の暑いせいだもんね。…ね、二宮さん。
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結局、大野さんからいっちばん離れた席に座ることになり。
悲しそうにしてる大野さん見て、笑う私とまたまた窓に目を背けて儚げな目をする二宮さん。
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和也「ねえ」
「…っは、はい」
和也「あの言葉、信じなくていいからね」
「え？」
和也「……それが、真実ってわけでもないから」
「…」
和也「あれが、俺が伝えたいことなわけないでしょ」
「…え？」
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クーラーの風が流れる音と、
クラシックな音楽が店全体を彩ってるかのように見えるが、
私たちがいるところ『だけ』なんだか違う雰囲気。
ピリピリした空間だった。
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二宮さんは、どの話をしてるのか。
どれを表してるのか分からない、
…現実なんて、分からなくてもいいけど。
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作者名：成瀬莉奈
| 作成日時：2017年8月23日 19時
