18.ソノヨコガオ、ナニヲオモウ ページ18
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和也「…なんか、ここにずっといても。あんたが泣き続けるような気しかしないから」
「…申し訳ないです」
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向き合う形。
二宮さんの背景には有名洋服店が映る。
二宮さんのちょっと儚くて切なくて。でも綺麗な目が私を捉える。
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和也「じゃあ、知り合いがやってるカフェがあるからさ、そこにいこうか」
「カフェ？」
和也「うん、カフェ」
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カフェ……、まさか大野さんのあのカフェ？
……いやいや、んなわけないない。
世界は思ったよりも大きいんだから。
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……って思ってた20分前の私。
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智「いらっしゃ…ってあ、ニノだ。」
和也「こんちは」
智「……ってあれ！！その茶髪！あれ！髪切った！」
「…こんにちは……？」
智「Aちゃんや！」
和也「…は？なんで……」
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世界は思ったよりも小さかった。
やっぱり、小さかった。
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タクシーに乗る私と二宮さんの距離は恐ろしいほど狭く、この心臓の音が狭いこの空間では聞こえてしまうんじゃないか、ってほど。
……どこか見た事のあるような道のり。
でも、それどころではなく近い近いこの距離をどうにかしてほしい。
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二宮さんはスマートに2000円を取り出して、お釣りを貰っている。
横顔、何も言わない。
無論、タクシーの中でも無言だった。
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赤くなってる二宮さんの耳。
期待して二宮さんを見る私と、窓に目を背ける二宮さんと。
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和也「…着いた。」
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見覚えのある看板。
窓を越して見えるのはどこかで見たはずのあの、あのイケメンの店員さん。
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和也「……知り合い？」
智「……さぁ」
和也「なに、そういう関係？」
智「そういうってどういうだよ」
和也「それは…、だからまあ、カップル。とか？」
智「あー、そうだね」
和也「…は？」
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目の前で繰り広げられる論争。
…私は大野さんと付き合ってなんかいないし、ましてやそういった言葉も言ったこともないし言われたこともない。
大野さんが笑いを堪えきれずニヤニヤしてるところから、二宮さんをからかってるんだなって。
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智「嘘だわばーか」笑
和也「は」
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このあと二宮さんが拗ねたのは言うまでもない
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作者名：成瀬莉奈
| 作成日時：2017年8月23日 19時
