紅い噛み痕をつけて【AtR】

bite08 ページ8

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彼方が出て行った扉から私も出る




もう、そう言えば放課後なんだっけ

外から部活をやる人の声が聞こえる






「Aっ……」




すると横から聞き慣れた声がする





「あれ？真冬じゃん」






「なにしてたの、そこで」






「え、まあ、いろいろ」




何をしていたかと言われると、
彼方が居たから入っただけなのである





詳しく言うとめんどくさそうだし、
敢えて言わないでおこう
そう思ったのに





「……さっき、そこから彼方さん出てきましたよ…」





なんて言ってくる




「……彼方がいるのが見えたから思わず入ったんだよね〜」


ああ、言うしかないか。
そう思い、結局言ってしまった。


なんだか、真冬は少し不機嫌だ






俯いてそこから全然動かない


「真冬どうしたの？」




スッと側まで行くと、少し口角の上がった真冬の口元が見えた






「そろそろ僕、無理なのに」





「え？」







ふっとこちらを見た真冬の目が少し赤く充血していた





「だいじょ…」





目が赤くて大丈夫なのだろうかと声をかけようとしたのに


頬に触れようとした手を真冬に掴まれる






「僕はこんなにもAに触れたくて堪らないのに、彼方さんが理解できないよ」

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