紅い噛み痕をつけて【AtR】

＊ ページ39

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このまま帰るのかと思ったら、何故か坂田は雑貨屋さんに入った。




「坂田っ…どうしたの？」




「A、ツインテールばっかりやから、ポニーテールしてほしいな〜って」





そう言われて、店内を見たら
髪留めがたくさん売っていた。



私が、ツインテールにしてるのは
小学生からずっとで

理由も、真冬が可愛いって言ってくれたから





「ポ、ポニーテールは似合わないよっ…」





なんて言うと
すぐにクスッと笑いながら



「絶対似合うって…」




なんて言いながら、これどう？なんて聞いてくる





「か、買うお金ないから〜ね？」



なんて返すと、

「俺がプレゼントするから、気にしんといて」




と言われてしまう。




「えっ、あっ…そんなことしなくても」






昔から、お金の貸し借りはダメと言われてきたこともあり、坂田の手を掴むと




手に紙袋を渡されてしまった。



そのまま紙袋を持ってない方の手を
さりげなく握ってきて




「明日つけてきてね」



なんて言いながらお店から出た。


*

*

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そのまま家まで送ってくれて、

「明日、つけてるのたのしみにしてる…」




なんて去り際に言われた。


どうやら家が反対側なようで
すごく申し訳ない気持ちになった。


坂田って、想像してたよりも優しい人で
こうやって何処かことが楽しいって思えてしまった。




「わかった…」





いつもツインテールを真冬のためにしてたけど、彼のためというより、
私が彼に見てほしいがためだった



つけてきて欲しいなんて言われるのは
少しだけ嬉しくて
私は机の上に髪留めを置いた

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