紅い噛み痕をつけて【AtR】

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「こいつ、寝てないのかよ…」





保健室に連れてきて、その後をついていく




「昨日勉強教えてもらいに行ったからかなぁ」



ボソッと呟くと、振り向いた彼方が





「へぇ、よくAのこと部屋にいれたね真冬」





そう言ってくるから



「どういうこと？」




思わず聞いてしまった







すると真冬に掛け布団をかけた彼方は隣のベッドに私を座らせると隣に座ってきて
カーテンレールがついた天井からカーテンを引いた時の音が聞こえた




周りはカーテンに囲まれて、真冬にも見えない状態




「彼方…？」






「…Aはさ、真冬が好き？」







コツンと頭を私に軽くぶつけて
聞いてくる



「……ふ、普通に好きだけど」


すると彼の声が、耳元で囁くように
吐息混じりに聞こえてきた



「…付き合ってって言われたら付き合う？」







「な、なんでいきなりそんなこと」





ベッドの上に置いた手を掴まれて


「もし、俺も真冬もAが好きって言ったら、Aはどっちを選ぶの？」





どんどん、私が聞く前に彼が
私の頭が追いつかないスピードでそんなことを言うから
思わず彼方の頬を両手で挟む



「彼方…待って…」




「…ごめん…」



聞いたことがないわけじゃないし、
2人ともかっこいいから
周りはよくどちらと付き合うのって聞いてくる





小学生のときは確か、真冬。

中学生は彼方って、言った気がする。




「いきなり…選べないよ…それに」








「それに…？」









「私がどちらか選んでいいなんて、そんな贅沢な話はきっとないよ」







ズルイじゃないか。

まるで2人で弄(もてあそ)んでるみたいになる






珍しい。
彼方がそんな話をしてくるなんて




「彼方さ」




「ん？」




そろそろ授業が始まってしまう





「好きな子でもできたの？」





私の質問に彼方は固まる




「は？」




そして返ってきた返事はこれだ






「だって、こんな相談全然してくれないし…」




そういうと、クスクスと笑みを見せて




「俺は、小学校の時から好きなやつは変わらないよ？」



なんて笑った





「えっ、そうなの？」





「まあね」


昨日ので不機嫌にさせたかと思ってたけど
よかった話してくれて


なんて彼方の顔を見て安心していた私は




「油断しすぎ」




その言葉と唇に触れた熱で
目が点になる




「ムカつくから真冬より先にするわ」

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