ｶﾙﾃe『筋肉の名前はひとつじゃない』 ページ6
音駒高校体育館、全部員集合。
｢今日からマネージャーを務める事となりました、一年の輝基Aです。バレーの直接的な経験はありませんが、中学校では三年間マネージャーをしていました。動機は昨日、IHの試合を見て音駒バレー部のファンになったからです。途中入部になりますが精一杯頑張ります。約三年間、よろしくお願いします｣
礼。と同時に『しゃーす！！！！！』と声が返ってくる。
｢ひえぇ、まさか輝基さんがマネージャーになってくれるなんて｣
｢やば、ちっさ･･･っ･･･子猫みたいですげー可愛いんだけど･･･｣
｢ひょー！間近で見る程チョー美人！｣
盛り上がる一年組に、海が声をかける。
｢芝山、輝基さんは何か一年の間じゃ有名なのか？｣
｢はい！見たら分かりますけどモデルかってくらい綺麗だから、隠れファンクラブもあるくらいなんです。けどあまり群れないタイプというか、周りよりクールだし、イレギュラーな事も結構するんで近寄れない人なんですよ。遠巻きに見るというか｣
｢俺知らなかったぞ！？｣
｢犬岡は女子とか見ないだろあんまり｣
｢俺も知らなかったけど！？｣
｢リエーフは･･･リエーフだから｣
｢えー！？！？｣
騒がしくなった部員達に囲まれ、"耳を持つ"Aは全て聞こえ、気恥ずかしくいたたまれなくなる。
そこで黒尾がパンと手を叩いてその場を仕切った。
｢はいお前らそこまで！チンタラしてっと練習増えるぞー。ウォーミングアップからするからな！準備！｣
鶴の一声に慌てて他のものが動き出そうとする。
｢あ、待って下さい｣
それをAが遮った。
｢ごめんなさい、最後にこれだけ。あたし知ってる人は全員あだ名で呼ぶタチなんだけど、嫌な人とかいないかな？｣
しん、と静まり返った。え、なんで？
｢･･･は！？あだ名？｣
夜久が問いかける。
｢はい。あ、どうしようでもキャプテンにクロちゃんは流石に｣
｢ぶっwwwいやいーって！折角面白かったのに変えんの勿体ねぇwwwそれに俺は敬語とかそーゆーのもいーからな｣
｢じゃあクロちゃんで｣
｢切り替えはやっ！！｣
｢で、順番にいきます。夜久さんは、やっさん。海さんは、うーさん｣
｢やっさん！？｣｢俺はウミじゃなくてカイだぞ･･･｣
｢孤爪さん、ケンケン。山本さん、本山パイセン、福永さんふくたん｣
｢ケ･･･？！｣
｢で、芝山くんシバッキー、犬岡くんこまち、リエーフくんは･･･リエーフで｣
｢･････････何故！？｣
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作者名：KAME | 作成日時：2018年10月1日 18時
