【HQ!!】ドクドク良心ゲーム【黒尾鉄朗】 (ページ16)

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ｶﾙﾃo『脳天をぶち破るくらいには破壊力の強い温もり』ページ16

独特な笑い声を耳に残し、さて移動するかと爪先の方向を変えた瞬間「うおおお！！？」と野太い雄叫びが耳を劈く。今度は何！？

意外と間近で聞こえたその吠えの正体は、Aの後ろに膝から崩れ落ちた山本だった。神妙な面をしている。

「じょっ･･･じょっ･･･！女子が二人になっとる･･･！！！」

綺麗系と可愛い系･･･！と天を仰ぐ山本のモヒカン頭を谷地が驚いた表情で凝視する。卵焼きのようなソレが彼女には珍しかったのだろう。

親鳥の清水が無言で谷地の前に立ち、叫ぶ山本を警戒している。無理もない。こんなガタイのいい男が谷地に目を向けている事実だけで人によっては通報ものである

二人になった、とは何のことだろうか？と彼、本山パイセンに話を伺おうとした時、山本の背後から現れた烏野坊主頭、田中が同じく山本のように雄叫びを上げて沈みこんだ

「うぉあああああ！！！音駒にっ･･･じょ、女マネが･･･いるだとぉっ･･･！！？しかも･･･牡丹が如く美しさ･･･！！！」

ズシャア、と黒いジャージを砂埃に浸らせて天を仰ぐ。一目見ただけで分かった。あ、この人本山パイセンと同じ人種だ。

鋭い目付きが小動物のようにキラキラと輝いて、Aを見る。項ラインの黒赤ボブヘアから、鮮血色のツリ目、左前髪に付けた水色の髪留め、細くてかなり小さい身体を見られる。

「潔子さんに劣らない可憐さ･･･クッ虎、貴様･･･まさか手札を増やしてやがったとは･･･！！！」

「ふ、ふっふふ･･･お前こそ潔子さんに継ぐ後輩ちゃんをつけるなんざ、やるじゃねぇか･･･！！正直油断してたぞ･･･！！！」

「この勝負、引き分けだな」

「仕方ない、今夜のトークに持ち越しだ」

何言ってんのこの人ら？

崇められている筈なのにカードゲームの駒に使われたような腹立たしさに目の色を変えかけていると、誰かがポンっと頭に手を置いた。

黒尾だ。

ドキッ、と心臓が苦しくなる。緊張する相手でもないのに意味が分からず、また謎が増えたと困惑していると、黒尾がニヤつきながらぽんぽんしてきた。

「男子バレー部に入ったんだ、これからこうして吟味される事も増えっぞ」

「不快。それならあたしも全員に評価つけた方がいいだろうか。まずクロちゃんはね」

「ダァ！wおい俺に矛先を向けるな！www全く、お前目ぇコエーよ。眼光だけでそこらの人間殺せそうだぞ」

「ご褒美じゃないの？」

「よく分かってんじゃねーか」

なんなんだ一体