＊*095*＊-伝わればいいのに ページ41
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─《A、A、聞こえるか…？》
閉じ込められた腕の中。
私を呼んだ声──ううん。
“コトバ”だけが、胸の奥を揺さぶった。
こんなふうに話しかけてくれる人は、私の能力のことをわかってる人だけだ。
『……き、こえる…っ』
やっとの思いで返した声は届いただろうか。
安心感からか、緊張が解けてなのか。
目頭が熱くなり涙が溢れそうになった。
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─《何やってんだよ。バカ》
『……涼介、くん…っ』
ずっと待ち焦がれていた人の、腕だった。
半ば無謀な誘いだったし、諦めてしまうところだったのに……来てくれた。
声を聞かなくてもわかるけど、確かめたい。
手を伸ばした、その時だ。
パッ！と腕が離れて、ぼやけたままの視界が、くるりと反転したのは。
正面にはフードを被り、サングラスをかけた彼の姿。表情は見えない。
「…こっち。」
それだけ告げられ、手を引かれるまま彼の後ろをついて行った。
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前を歩く背中が、人気のない道を進んでく。
繋がれた手の体温から、先ほどの状況を心配してくれてるのが伝わった。
もう大丈夫だって、私の心も伝わってしまえばいいのに。そう思った。
やがて──
彼の足が、小さな神社の前で止まる。
「ちょっと座ってて」
『え？』
促されるまま石段に腰を下ろせば、返す間もなく、私を残してどこかへ行ってしまった彼。
かと思えば、数分ほどで戻って来て。
「ん。」
『えっ』
何かを渡されて、受け取った物。
ヒンヤリと冷たいカップだ。アイス……？
「バニラアイス。好きじゃなかった？」
「好き、だけど……」
─《かき氷んトコ、遠いんだよ》
横に座った彼からの感情は、わざと聞こえるように言ったのか。それでも私は、何も返せなかった。
『…涼介君、』「あのさ、」
サァッ…と静かに夜風が舞う。
社を灯す灯篭の赤が、ゆらゆらと燃えていた。
言いたいことが被ってしまい、揃って逡巡する。次に口を開いたのは彼の方だった。
「ごめん。先に話していいよ」
『……ありがとう』
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続く (更新停止中)
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白湯(プロフ) - 侑涼ｰあゆりｰさん» あゆりさんこんにちは(*´▽`*)見つけていただき、とても嬉しいです…！初投稿からかなり経ってしまったのですが、最近もコメントいただけるのが有り難く、また励みになります(泣)遅いですが、ゆるゆるお付き合いくださいませ(*´pωq｀*) (2019年1月7日 14時) (
レス) id: 044d7bd8b4 (このIDを非表示/違反報告)
侑涼ｰあゆりｰ - 昨日見つけた作品なのですが、続きすごく気になります!!続き頑張ってください* (2019年1月7日 11時) (レス) id: c3981464e0 (このIDを非表示/違反報告)
白湯(プロフ) - みかんさん» みかんさん初めまして♪コメント嬉しいです(*´pωq｀*)ありがとうございます！頑張ります♪ (2019年1月6日 20時) (レス) id: 044d7bd8b4 (このIDを非表示/違反報告)
みかん - 続き楽しみにしてます！！ (2019年1月6日 8時) (レス) id: 4eea20fdcf (このIDを非表示/違反報告)
白湯(プロフ) - あおさん» ありがとうございますﾟ(ﾟ＾ω＾ﾟ)ﾟそう言っていただけると励みになります…m(*_ _)m更新率こんなんですが続けるつもりはあるのでﾟ(ﾟ＾ω＾ﾟ)ﾟよろしければお付き合いください…！(*´▽`*) (2018年11月19日 21時) (レス) id: 044d7bd8b4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：白湯 | 作成日時：2017年7月9日 16時
