ダサいのがバレたから、偽カノすることになった 4th【及川徹】

109話 ページ5

夏休みも終わり、ついに新学期。


転校生の話はそれなりに有名で、学校に来たばかりの時はその話でもちきりだった。
少し時間が経てばその話は少ししか出てこなかったものの、昼休みになると、またその話題があがった。


1年生の知り合いが教えてくれたのか知らないが､その転校生はとても可愛いんだとか。


「本当かしらね……」

「なにが？」

「転校生。性格も可愛いといいけどね〜」


騒ぐ男子を見ながら未来ちゃんは呟いた。
うまく理解ができなくて聞き返すと、嫌味ったらしくそう言い、私のお弁当の中に入っていた玉子焼きを頬張る。


「あっちょっ！それ私の玉子焼き！未来ちゃんのもちょーだい！！」

「嫌」

未来ちゃんの食べた玉子焼きを指さしながら、涙目で叫ぶ。

未来ちゃんは自分のお弁当を両手で持ち、私におかずを取られないように高い位置で固定した。


「なにそれフェアじゃないよ！！」

「知らないわよ」


ケチ!!と叫ぶと、なんですって〜！？と怒った声色で未来ちゃんは言った。

学校では未来ちゃんと初めてお昼を食べるけど、とっても楽しかった。


.


そして、放課後。部活の時間。


「……」

「……」

「て、転校してきた花園香凛ですっ！今日は少し見学させてもらいたいと思いますっ！よろしくお願いします！」


未来ちゃんと共に露骨に嫌な顔をして、及川を見る。目を泳がせている及川に問い詰める。


「え、なんでいるの？しかもなんでこの時期？」

「え、でも後釜って必要じゃん？？それに今回は俺のせいじゃないからっ！」

「はぁ？どゆこと？？」

私と未来ちゃんの頭の上に？が浮かぶ。
二人とも首を傾げると、どこから湧いてでたのか国見君が話し始める。

「＿＿つまり、『花園サンが見学させてくれないと泣く、と言わんばかりの目で見つめてきたので面倒なので了承した』と。」

「えぇ……」


未来ちゃんが話をまとめる。

え、待って。見学させてくれないと泣くって何？えっ？


頭の中お花畑かよ……

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