116話 ページ12
「花園ちゃん、今まで何してたの？」
及川が優しめの口調で話しかける。
ただ、いつもより声は低いようだ。
「ぁ、及川先輩っ！ごめ、なさっ……！わ、たしが悪っ……ふぇぇ」
及川が話しかけるなり泣き出す花園さん。
ジャージの袖で涙を拭うが、止まらないみたいだ。
「えっ、いや泣かないでよ……。そんなに強く言ってないじゃない」
「そうだよ。というか、質問に答えてくれないと困るんだけど」
どこに泣く所があったのかは知らないが、泣き始める花園さんにオロオロしながらも泣かないように言う未来ちゃん。
そしてそれに同意する私。
「わた、しっが、悪っいんですよねっ！ごめ、なさっ……」
「えっ、いやだからぁ……はぁ」
未来ちゃんは、一向に何をしていたのかを言い出さない花園さんに呆れてため息をついた。
後ろを向いて、レギュラーメンバーの3年生達にむかって首を振ると、彼らも溜息をつき、顔を見合わせていた。
「仕事してくれるのは嬉しいんだけどさ、皆に迷惑かけられるのは困るんだよ。今までなにしてたの？」
及川が花園さんと目線を合わせて、これ以上酷く泣かないように優しめの口調で言った。
「ふぇ……及川せんぱっ、怒ってますかぁ……？」
「……怒ってないよ。で、なにしてたの？」
及川の問いに全く関係ないことで返す。
周りのみんなも何言ってんのこの子状態。
なにしてたの？って質問はこれで三回目だ。いくら及川でもこれはもううんざりなんじゃないか？
「おなっ、じクラスのっ男の子に、話しかけられてっ、つい、話し込んじゃったんですっ……！ごめ、んなさっ」
しゃくりあげながら、ちゃんと理由を言った花園さん。
あれ、そう言えばこの子今日で泣くの何回目だ?体内の水分足りなくなるんじゃねえの？
「そっか……。転校してきたばかりで、クラスに馴染むことも大切だと思うけど、自分でやるって言った仕事は責任をもってやり遂げてね。
次からは気をつけて。いい？」
「……はい！」
目を細めて、あやすように花園さんに及川は言う。
なんか、花園さんに及川を取られたみたい……。
心の中のわだかまりがとけなくて、スッキリしないまま時間は過ぎていった。
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いちごみるきー(プロフ) - めらんこりっくさん» 私のなんて駄作ですから、あの、はい。すごく下から見てもらったら嬉しいです((( (2018年8月13日 22時) (
レス) id: faf0fe0e83 (このIDを非表示/違反報告)
めらんこりっく(プロフ) - いちごみるきーさん» うっひょあ！大好きだなんて照れますよぉ……///まさかコメントをいただけるとは……(泣)更新頑張ります……(菩薩顔)いちごみるきー様の作品も拝見させていただきますね！コメントありがとうございました！ (2018年8月13日 22時) (レス) id: a771853725 (このIDを非表示/違反報告)
いちごみるきー(プロフ) - 初コメ失礼します!!もうだいすきです早く見たすぎてやばいです、更新待ってます!!がんばってください！ (2018年8月13日 22時) (レス) id: faf0fe0e83 (このIDを非表示/違反報告)
めゆめゆ(プロフ) - めらんこりっくさん» 了解です (2018年8月9日 10時) (レス) id: f98621b8aa (このIDを非表示/違反報告)
めらんこりっく(プロフ) - めゆめゆさん» ありがとうございます！！こちらの方でも紹介したいのですが、URLとかって貼れますかね……？あっ、続きはボードでお話させていただいてもいいですか？ (2018年8月9日 0時) (レス) id: 8c203ad89a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：めらんこりっく | 作成日時：2018年8月4日 22時
