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・・・




なんとか間に合った…


途中、体育館までの道で迷子になりかけたが、
なんとか辿り着けてよかった…


一列2席で、私は指定された右側の席に座る。
隣は男の子で、尚更不安になる。


まだ暖かい4月だと言うのに、徐々に冷たくなる手。
不安で胸が押し潰れそうになった時、
左腕をちょんちょん、と突かれる。


ハッとそちらに顔を向けると、その子は微笑んでいた



小さく折り畳まれた紙を渡され、それを開くと……



"大丈夫"




短くそう書かれていた。



それは疑問形なのか断定的形なのかは分からないが、
どちらにせよ心配してくれているのは分かった。


感謝の意を込めて軽く頭を下げる。



少しして、ステージに人が立つ気配がして向くと…


煌めく金色の髪に、綺麗な青色の瞳。
左耳には金色のフープピアス。


一瞬、先程の黒髪の男子生徒かと思ったが違った。



「全員が入場したということで、早くなりましたが、
 これより第41回・華舞乃高校入学式を始めます」


……



「続いて生徒会長の白鳥雪那さんからのお祝いの言葉です」



司会が言い終わると、先程の金髪の男子生徒がステージに立つ。どうやらこの人がここの生徒会長らしい。



「新入生の皆さん、初めまして!
 僕は生徒会長の白鳥(シラトリ)雪那(セツナ)です」


〜〜



「最後になりますが…新1年生の皆さん、
  改めてご入学おめでとうございます。
 ぜひこの華舞乃高校で良い思い出を作って下さい」



長々としたスピーチを終え、ステージから降りる。



チラリと周りを見ると、目をハートにさせた
イケメン生徒会長にメロメロの女子生徒たち。



「続いて校長先生からの〜〜」



**



やっと終わったなぁ…



式が終わるとその場で解散になる。


「なぁ…名前聞いてもええかな?」


ふと後ろから声を掛けられる。
振り返ると、先程隣に座っていた男の子だった。


「あ…私は飯塚千里…です」
「オレは一ノ瀬(イチノセ)。よろしくな!」


ニカッと可愛らしい犬歯を見せて笑う。



ピコンッ

スマホを確認する一ノ瀬君。



「…ごめん、兄ちゃんが迎えに来とるから帰るな!」
「うん。またね」


精一杯笑って彼を見送る。久々に誰かと話したから、
ちゃんと笑ってるように見えたか心配だ…



私もお腹空いたし帰ろう。




「…おい待てコラ」




帰ろうと踵を返したその時だった。肩を掴まれた。
振り向くと、朝会った黒髪の2年生だった。







なんでいるのー!?

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作者名:マルトメティー | 作成日時:2021年5月23日 17時

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