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***
13時にセットした腕時計のアラームが鳴る。
中校舎4階、廊下の突き当たりの東側の教室。
「遅れてごめん!会議が長引いちゃって…あれ?」
13時からの生徒会役員の集まり。
いつもなら5・6人いると言うのに、いたのは1人だけ
「会長ーこちら頼まれてたやつでーす」
「あ、ありがとう」
「あー!このリンゴめっちゃ美味しそうですねー」
「萩(ハギ)君リンゴ好きだもんね。あげるよ」
「わーい!ありがとーございまーす」
リンゴを美味しそうに丸齧りする彼は、
1年生で特別科AAクラスの萩(ハギ)影斗(カゲト)君。
毎年熾烈な闘いになる生徒会役員選挙で、
他の1年生を差し置いて見事に一位を勝ち取った子。
その時々人を苛つかせる間延びした喋り方とは裏腹に
異常な頭の回転の早さと、優れた英会話技術。
さすがエリートばかりが集まる特別科だ。
「萩君、他の役員たちは?」
「みなさん帰りましたよ。ぼくも会長に渡す予定だった資料渡したので、そろそろ帰ります」
リンゴをきれいに食べ終えるとゴミ箱へ投げ入れる。
「でも今日はこの後会議が…」
「何言ってるんですか会長。会議は明日ですよ」
そ、そんなはず…
胸ポケットから手帳を取り出しスケジュールを確認する。すると確かに会議は明日と書かれていた。
「じゃ、お疲れ様でーす」
僕の横を通り過ぎ…ようとすると、
ポン、と肩を軽く掴まれた。
「白鳥霜真とは双子の兄弟…似てないですねぇ?」
ふふっ…と不敵な笑みを浮かべると手を離した。
「相変わらず、汗も滴る良い男ですねー」
そう言い残して、バタンと閉まったドア。
「……………」
一瞬何が起きたか分からず、固まってしまった。
「僕は____________________
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作者名:マルトメティー | 作成日時:2021年5月23日 17時