ペットシッター2 (ページ20)

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それからちょっとして

翌年の春

俺らは結婚式を挙げた。

言うても、ほんまに籍は入れずに、

形だけって言うか、

それはAがファンの人たちの気持ちを考えてそうしようっと言ってくれて

だから、身内とメンバーとだけの。

家ももったいないけどAと俺２つの部屋をそのままレンタルしたまま

なんとかバレずに同棲中。

ほんまは、俺だって結婚したかった。

病気になってみんな泣かして

特に家族はずっと付き添ってくれて

このまんまやったらあかんなって。

やけど、それをある雑誌で言うたら大炎上。

まぁ、それは俺の言い方も悪かったって思ってるけど

だから、しばらくはあかん言われて

やけど、おかんもおとんも結婚式みてこれでよかったって

泣いて喜んでくれたから一応は親孝行できたかなって思ってる。

式場はもちろんあの場所。

あの時、ほんまに結婚しよ、って勢いでプロポーズしちゃいそうなくらい

最高の式場で、それを見るAも綺麗で

だから、そこで迷うことはなかった。

ウェディングドレスも、興味のなさそうなAと

何回も選びに行った。

でも、やっぱり俺の嫁さんはなに着ても可愛かったから

ほんまは5回くらい着させたくて

悩んでたらAから俺がデザインしたやつを着たい言われて

しゃーないから作ったった笑

ほんならなぁ、やっぱどのドレスよりも可愛かった。

それで2人で誓い合って、

まぁ…毎日、幸せに暮らしてる。

俺は毎日Aの顔見て

あぁ、幸せやなぁって思うねん。

だから、一生この顔が見られへん距離にはおかんって決めた。

ペットシッターから始まったこの恋は

今、俺のお嫁さんになって報われた。