ペットシッター2 (ページ18)

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最後の晩餐ページ18

「…え？何を言ってるんですか。」

『今度は僕の話をしますね。』

「え…いや…」

『僕はどうせ会社の後を継ぐから

好きな人なんか作らない気でいたし

20代になって遊び半分で色々な人と付き合ったりしたけど

そんなに好きなることもなかったんです。

それで30になって落ち着いて父からお見合いの写真を渡された人と

好きになることもなく普通に結婚するんだと思ってました。

でも、Aさんに会ってデートをして

ご飯を食べて普通のことをするだけのことがとても楽しくて。

ずっと一緒にいたいとも思えたんです。

だけど、最近のAさんは少し迷っているように見えて

なにか、勘で、好きな人のことなのかって。

それで勝手に賭けをしたんです。

Aさんの思いが僕のAさんを思うのと同じくらいなら

このまま結婚するつもりでした。

だけど、Aさんの思いより先にあなたの表情が

僕とは違うものをだと感じさせました。

だから、Aさんとは結婚できません。』

「いや、でも式とか…。

周りの人ももう招待しましたし…。」

『あー、それなら大丈夫です。

あ、契約もこのまま続行させてもらいますし。』

「え、じゃあ…本当に？」

『はい笑

僕はAさんの本当に好きな方と一緒なってもらいたいんです。

なんか、そういうの見てみたいんです。

本当に幸せになれるのか。

だから、僕が社長には話します。』

「…でも…」

『今日は…最後の晩餐です。

暗い話はこれくらいにして楽しみましょ？』

「…わかりました。」

そうして私と彼との婚約は思いもよらない方向で破棄になり、

家に帰って父親に話す前に

話は通っていて父からは

『Aにそんな人がいるとは知らなかった。

契約も続けてくれるそうだし

相手の心に甘えて、お前の思いを優先したい。』

そう言われ私は次の週末東京へ行くことになった。