ペットシッター2 (ページ14)

今日:6 hit、昨日:0 hit、合計:13,636 hit

・ページ14

『綺麗やな…。』

「本当に…」

『俺、あげるならこう言うとこで式あげたいな。』

「えー、さっきまでこんな田舎って言ってバカにしてたのに笑」

『ちゃうやん笑』

そんなことを言って笑いながら私たちはしばらくじっとしていた。

『ドレスとか見れたりするんですか。』

『あ！はい！

ご案内いたしますね。』

それを聞くなりウキウキする安田さんに私はあたふたする。

「安田さん！

まだ見るんですか。」

『うん！時間いっぱいあるし、せっかく来たんなら見て見たいやん！

ほら、行くで！』

そう言ってさりげなく私の手を繋ぐ。

私はされるがままに安田さんの言いなりになった。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

ガチャ

『うわー！めっちゃあるやん！ほら見て～！』

「ちょっと、他の方もいるから…バレちゃいますよ！」

『大丈夫やって！』

安田さんは

全てのドレスを丁寧に見て回りとても楽しそうにしていた。

『見て！これとかめっちゃかわいい！』

「はは笑そう、ですね。」

『なんなん～、もっと女の子ってこう言うの興奮するもんちゃうん？』

「そんな、ずっと先の未来のことなんか想像できませんよ。」

『おもんないなぁ…。

でも、案外近かったりするかもなぁ。』

「え…？」

『あはは笑

ほら、どう言う色のドレスが着たいん？』

「私は…」

さらっと話が流されてしまって私は、安田さんのドレス選びに付き合わされていた。

私たちの横にもう1人カップルがいて

女性の方は試着室に入っていた。

男性の方は興味のなさげに早く終わらないのかと

携帯をいじっていてそれを見るなり安田さんは

『わからんなぁ…。

俺やったら絶対一緒に選びたいし

なんなら俺がデザインしたのとか作って着てもらいたいけど。』

「ちょっと！聞こえちゃいますよ！

すみません！」

『あはは笑

素敵な旦那さんですね。』

「旦那さん…」

私は急にそんな風に呼ばれビックリしたのと同時に

こんな私でもきちんと奥さんに見えてることが嬉しくてたまらなかった。

それ以降、安田さんは永遠とドレスを見続けては

これがいい、あれもいいと採点しクタクタになった私は

帰りの車の中で寝てしまい、それから２週間してあの状態になってしまい

あの時もっと起きて会話をしていれば、ととても後悔したのを思い出した。