好きだと素直に言えたなら Ⅱ《Ren.N》 (ページ22)

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story 70 ページ22

きっと走ってきたんだと思う。
息の荒れた廉がそこにはいた。

紫『俺さ…廉に言ってたんだよ。Aちゃんが好きなこと。』

A『えっ…』

紫『そしたらさ、お前が本気なら俺はAを全力で守るって、負ける気ないって。自信満々に言うねんで。』

廉『ばっ、ばか。お前ばらすなよ。』

A『廉らしいね。』

廉のその思いが嬉しかった。本当に。
そして紫耀先輩の気持ちも。

廉『悪いけど、たとえ相手が親友の紫耀であっても、1ミリもこいつを譲る気はなかったからな。』

A『廉…。』

廉『俺もずっとずっとAだけが、好きやから…こいつが居らんとかありえへんねん。』

紫『よかったね、Aちゃん。』

A『紫耀先輩、本当にごめんなさい。そしてこんな私を好きになってくれてありがとうございます。』

紫『俺のわがまま1個だけ聞いてくれる？』

A『えっ…？』

廉『紫耀！』

紫『本当に大好きだったよ…』

そう言って紫耀先輩は私のおでこにキスをした。

廉『紫耀ー！ありえへんぞ！』

紫『はは、いいやん(笑)』

A『…えっと…あは…は』

いつまでもこうして、3人で笑っていたいと心から思った。

紫耀先輩。本当にごめんなさい。
廉。本当に本当にありがとう。