好きだと素直に言えたなら Ⅱ《Ren.N》 (ページ45)

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story 93 : 廉 side ページ45

廉 side

Aが家を飛び出した日の夜、泣きながら帰ってきたA。
強く強く抱きしめた。

A『嫌だ…嫌だよ…ｯｸﾞｽｯ…』

廉『全部聞いた…離れたくない…っ…』

ずっと怖がってた。小さい頃から。

廉『今日はどうした？』

A『ママとねパパがね喧嘩してたのっ…』

廉『そっか、怖かったな、おいで。』

A『廉くんっ…怖いよっ…』

Aの小さい頃からの気持ちをしってるからこそ、本当に辛かったんだと思う。

廉『A…ちょっと出かけよっか。』

A『え…？…ｸﾞｽｯ』

俺たちの思い出の場所に行った。

廉『A…俺も離れたくない…離したくもない。でもこれも現実なら受け止めなあかん気もする…。』

A『ｯｸﾞｽｯ…うん…』

廉『俺さ、頑張るから。大学卒業したら、迎えに行くから。そしたらさ、その時にもう1回言わせて。』

A『…ｸﾞｽｯ…』

廉『大きくなったらお前を俺のお嫁さんにしたるって言ったやろ？』

A『廉っ…』

廉『だからそれまでは、これ持ってて。』

キザなことしてるのは分かってた。
でも確かな証を残したくて。
俺はAに渡した。

A『廉…これっ…ｸﾞｽｯ…』

廉『左手は迎えに行く時に。だから今は右手。絶対に迎えに行くから。』

A『うんっ…ｸﾞｽｯ…ありがとう…っ。』

約束の指輪をお互いに付け合って
俺たちは離れることになった。

待ってて。絶対迎えに行くから。