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story 75 : 廉 side ページ27
廉 side
あれから毎日病院に通ってる。
記憶が戻ると信じて。
ガラガラ
A『あ、廉くん…。』
廉『よっ。どう、体調？』
A『身体は大丈夫なんですけど…全然思い出せなくて…』
廉『いいよ、ゆっくりで。無理すんな。』
A『本当に…ごめんなさい…』
紫耀が俺たちが付き合っていたことを言ったらしくて、それ以来病院に行く度に謝られる。
廉『じゃあさ、ちょっと昔の話していい？』
A『はい…っ。』
廉『俺とAが小学生の頃にさ、Aが家出したことがあって、その時俺の家に来てんけどさ(笑)』
A『私そんなことしてたんですか？』
廉『そうそう(笑)で、家出した理由がまた面白くてさ(笑)』
A『え。』
廉『夜ご飯に嫌いなピーマンが入ってたからって言って、俺に家出したって言って泣きついてきてんで(笑)』
A『うそ…恥ずかしい…//』
昔の話を聞いてる時の
Aの仕草も笑い方も声も行動も
何一つ変わらないのに。
俺との記憶だけか抜け落ちていたことを
突きつけられる気がした。
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作者名：愛結綾 | 作成日時：2018年10月4日 9時
