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7限目 ページ7






それから私の、英語の補習が始まった。


とりあえず目標は平均点以上をとること。

日が経つごとに2人で居残りを続けると、必然と距離は近くなるもので。


それはもちろん学生と教師としての距離感。


勉強は勿論、ただ採点後の先生のイラストが毎回違うことや、それに関する雑談をするのがひとつの楽しみとなっていた。






「……空きび……ペットボトル…?」

「あ、分かった?結構自信なかったんだけど」






今日も補習の時間。
短文の問題が中心だったプリントを捲ると、ふにゃりと線は曲がってるが辛うじて分かるそれ。



空き瓶かと思った、とは言わずに先生の顔を見ると、笑顔で私のことを見ている。







「あともう少しで期末試験でしょ?頑張ってってことも兼ねて好きな飲み物買っていいよ」


「………先生のお金で?」


「逆に誰がいるの」







ふふっと笑う先生に、私は驚いた。

ここまでしてくれると思ってなかった。あと、こんなに優しいってことも。

私も笑ってお礼を言うと、満足した顔で頷いてくれた。








「じゃあ1時間半経ったしそろそろ終わろっか。今なら誰にも見られないだろうし」


「……なるほど」









そういえば今はテスト週間。つまり部活をやっていない期間。先生は他の生徒にバレないように配慮してくれたんだろう。


本当は生徒に物を買っちゃいけないなんて、お互いにわかっている事だった。でも先生はいいよなんて笑って。



よく分からないなぁ、この人。掴みどころがわからないというか、難しいというか…





さて飲み物を買おうと自販機の前に2人で立つ。いつもは騒がしい放課後も、今日は職員会議のおかげで一層静けさを強くさせていた。



なににしよう…




最初こそ悩んでいたが、ここはもう勢い。これ、と指を差したのは500mlのサイダー。
あまり飲まないの選んじゃった、とは思ったけれど今更変える気もないので先生から頂いた100円を投入口に入れ込む。






「サイダーいいね、夏っぽい」

「まだ梅雨ですけどね」

「でもほら、もう夏っぽくない?」





自分の発言に訂正をしない先生は、そのままガコン、と出てきたサイダーを手に取って渡してくれる。






「はい、頑張ってね」

「…ありがとうございます」






お礼の言葉にもう一度頷いた先生を見てから、1口サイダーを飲む。









炭酸が弾けて、口の中がピリピリと痛んだ。





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作品ジャンル:恋愛
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かめそん(プロフ) - 羽鶴さん» いつもコメントありがとうございます…!ぜひ大人なkrさんを楽しんで頂けたらと思います! (4月1日 23時) (レス) @page1 id: e5672cfe47 (このIDを非表示/違反報告)
羽鶴(プロフ) - 新作だ…!大人なクロノアサさんまじかっこいいです!応援しています! (3月28日 1時) (レス) @page18 id: fcd2bda98b (このIDを非表示/違反報告)
かめそん(プロフ) - 紅茶さん» 今回も読んで下さりありがとうございます…!コメントくださって嬉しい気持ちでいっぱいです。紅茶様も体調には十分気をつけてお過ごしください! (3月26日 14時) (レス) id: e5672cfe47 (このIDを非表示/違反報告)
紅茶(プロフ) - 新作ありがとうございます!今回も気になる設定だし推しが先生だしでもう最高です!またかめそん様のお話が読めることを嬉しく思ってます!最近は花粉症がひどいらしいので気をつけてくださいね。 (3月24日 22時) (レス) @page15 id: 8df0b94832 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:かめそん | 作成日時:2024年3月23日 20時

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