検索窓
今日:291 hit、昨日:191 hit、合計:2,987 hit

27限目 ページ27







「Aごめん!この後急遽実行委員あってさ、一緒に花火見れないかも…!」










ステージが終わって余韻に浸りながら出た渡り廊下。
ひとつ上の先輩が由香に話しかけているのを眺めていればそんなことを言われてしまった。




文化祭終わりにある恒例の打ち上げ花火。夏祭りのように大きなものではないけれど、高校生にとったら花火はテンションが上がるもの。




よくあるのは恋人と見るものだけど、そんなの私には遠い夢の話であって。








ごめんね!と再度謝る由香に頑張ってと送り出し、適当に歩き出す。



行きたいお店はもう行ったし、お腹だって空いてない。


とりあえず飲み物買ってどこかに座ろうかな。







人混みも疎らになり歩きやすい廊下を突き進めばある自販機、



____の前にいるクロノア先生。









下は衣装だけど全部は嫌なのか上だけはラフなTシャツを着ている。






まさかここで会えるとは。一言だけでもお疲れ様を言いたい。



そう思いながら近付けば、聞こえてくる可愛い声。












「あ、せんせー!」



「倉月さん。さっきはお疲れ様」










あともう数歩の所で足が重くなったのがわかった。








「せんせーさっきはお疲れ様!めっちゃ良かったよ!」


「あー…ほんと?ありがとう」


「私はどうだった?良かったっしょ?」





「ふふ、すごく良かったよ」










その言葉にやったー!と嬉しそうに笑う倉月先輩は慣れたように先生の腕に自分の腕を絡ませる。



ズキンと痛む胸。目の前で見たくなかった場面を、目を閉じずそのまま見続けてしまう。










「せんせーはこの後の花火行くの?」

「いやぁ…俺は、」

「えー?一緒に見ようよ!ね?」










先生の困ったような声。…優しいから、きっと彼はいいよと言うと思う。



そんなの聞きたくない。






倉月先輩とはお似合いだ。

私なんかより、大人っぽくて美人な先輩の方が。






だからこんな、嫉妬みたいなことしても

意味なんかないのに。








2歩足を引いて、くるりと振り向く。
先生の返事を聞く前に、私はその場を走り去った。










28限目→←26限目



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (19 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
58人がお気に入り
設定タグ:kr , ntju , 実況者   
作品ジャンル:恋愛
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

かめそん(プロフ) - 羽鶴さん» いつもコメントありがとうございます…!ぜひ大人なkrさんを楽しんで頂けたらと思います! (4月1日 23時) (レス) @page1 id: e5672cfe47 (このIDを非表示/違反報告)
羽鶴(プロフ) - 新作だ…!大人なクロノアサさんまじかっこいいです!応援しています! (3月28日 1時) (レス) @page18 id: fcd2bda98b (このIDを非表示/違反報告)
かめそん(プロフ) - 紅茶さん» 今回も読んで下さりありがとうございます…!コメントくださって嬉しい気持ちでいっぱいです。紅茶様も体調には十分気をつけてお過ごしください! (3月26日 14時) (レス) id: e5672cfe47 (このIDを非表示/違反報告)
紅茶(プロフ) - 新作ありがとうございます!今回も気になる設定だし推しが先生だしでもう最高です!またかめそん様のお話が読めることを嬉しく思ってます!最近は花粉症がひどいらしいので気をつけてくださいね。 (3月24日 22時) (レス) @page15 id: 8df0b94832 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:かめそん | 作成日時:2024年3月23日 20時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。