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「じゃあテスト返すよ〜」
そんな言葉が聞こえた瞬間、心までもガチリと固まったような気がした。
大丈夫、絶対大丈夫。
そう言い聞かせながらも、目線はどうも下しか見れなくて。意外と緊張してるんだな、なんて客観的に思ってみたり。
前から3番目の子が立ち上がったのを見て、周りもソワソワしながら立ち上がった。
あぁ、やだなぁ…見たくないな
そう思っても、どう避けようとも私の番は来るわけで。
「………先生？」
教卓の目の前に着いたと思えば渡す気のないクロノア先生の手元。目線は私の顔。
小さく声をかけると、クロノア先生は優しく笑った。
「頑張ったね、お疲れ様」
「え、……あ。」
受け取った答案用紙に書かれていたのは、52点という赤文字。
………赤点、じゃない……？
「え、Aやったじゃん！」
「わっ、由香…！何勝手に見てんの！」
後ろから声が聞こえたと思えば私の点数を見て喜ぶ由香。
私の言葉なんて気にせず、"あんなに苦手科目だったのに…"なんて嘆いている。
そんな彼女の点数は80越え。私のこの点数は、高いともいえない。
でも今までの自分の点数と比べたら……全然良い方だ。
赤点じゃないだけマシかも、しかも当てずっぽうなんかじゃなくて自分の努力が沢山詰まってるんだもん。
納得のいく点数だ。
先生は全員に配り終わったことを確認してから挨拶を促した。
「クロノア先生！」
「……あ、Aさん。テストお疲れ様、いい感じだったね」
廊下に出た先生を追いかけてしまった。いつもはもっとキラキラとした女子が背中についているはずだけど、授業終わりだからか今は廊下にぽつぽつと人がいるだけ。
先生は私の声に気づくと、笑顔で労わってくれた。
「あのっ、先生のまとめてくれたプリントのおかげです！すごく要点が分かりやすくて…！ありがとうございました！」
あの時言えなかったお礼と、テストの点数に対してのお礼。先生はぱちくりと瞬きをしたあと、ふわりと笑う。
「どういたしまして」
"これからも頑張ろうね"
その言葉に頷くと先生は満足したように荷物を抱え直して職員室の方向へと歩いていった。
…これで補習も終わり、何ともあっさりしたイベントだったけど意外と楽しかったかも、なんて。
先生の背中を見つめながら、そんなことを考えた。
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かめそん(プロフ) - 羽鶴さん» いつもコメントありがとうございます…！ぜひ大人なkrさんを楽しんで頂けたらと思います！ (4月1日 23時) (
レス) @page1 id: e5672cfe47 (このIDを非表示/違反報告)
羽鶴(プロフ) - 新作だ…！大人なクロノアサさんまじかっこいいです！応援しています！ (3月28日 1時) (レス) @page18 id: fcd2bda98b (このIDを非表示/違反報告)
かめそん(プロフ) - 紅茶さん» 今回も読んで下さりありがとうございます…！コメントくださって嬉しい気持ちでいっぱいです。紅茶様も体調には十分気をつけてお過ごしください！ (3月26日 14時) (レス) id: e5672cfe47 (このIDを非表示/違反報告)
紅茶(プロフ) - 新作ありがとうございます！今回も気になる設定だし推しが先生だしでもう最高です！またかめそん様のお話が読めることを嬉しく思ってます！最近は花粉症がひどいらしいので気をつけてくださいね。 (3月24日 22時) (レス) @page15 id: 8df0b94832 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：かめそん | 作成日時：2024年3月23日 20時
