6.待ち人の嘘 ページ7
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ようやく食も進んだところで、緑色が会話のテーマを提示する。
「…まぁ、Aさんはほんとに分かってないですよね
ここにいる理由が」
「えぇ、何も知らないです。早く家に返してください」
即答だった。
こんなところ早く抜け出して、自分の家に帰りゆっくりと時が進むあの場所に戻りたい。
戻ったら、まず手始めにお父様に抱きつきたい。
安心したいのだ。
ファザコンだとか言われそうだが、母が幼い頃亡くなってから唯一私を娘として扱い、そして秋間財閥の1人として出迎えてくれたことを嬉しく感じていた。
あの厳しいお言葉は愛情の裏返しだと何度も考えてきた。だってたまに見せるあの笑顔は、きっと愛があったから。
そんなことを考えていれば、黄色の声が響く。
「帰れないよ。あそこには」
「は………
み、身代金なら用意できます。貴方たちが欲しいと言う倍の金額を…」
「無理なんだよ」
それは零度と表していいのか分からないほどの低い声。帰れない、というより帰させない、があっているだろうか。彼の文脈からその端々が感じられる。
なぜ、そんな疑問をぶつけるように彼の顔を見る。
伏せ目がちにテーブルを見つめた彼は、しばらくして私のことを見た。
「…色々信じられない所があると思う。でももう戻れないんだ。
だって君の父親は、＿＿＿」
やけにそこだけ、音量が上がったように自分の身体の中にも木霊していた。
何度も、嫌だと思うほど。
『Aを殺そうとしていたから』
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かめそん(プロフ) - 羽鶴さん» コメントだけでなくお気に入りにまで入れてくれてありがとうございます…！とっても嬉しいです！これからも更新頑張りますのでよろしくお願いします！ (11月11日 11時) (
レス) id: e5672cfe47 (このIDを非表示/違反報告)
羽鶴(プロフ) - 鳥籠の中面白かったです！夢主ちゃんが可愛いし、恋愛表現が無い所がお話を読みやすくてよかったです！お気に入り作者様に追加させて頂きますね、がんばってください！ (11月10日 16時) (レス) @page43 id: fcd2bda98b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：かめそん | 作成日時：2023年8月20日 13時
