16.戦いは、 ページ17
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「まず最初に、Aに拒否権があることは言っておく」
そう最初に発言したのはぺいんとさんだった。
あれから、まだ眠くない？と気遣ってくれたクロノアさんの言葉に頷くと、じゃあ少しだけ、と全員が食事の時と同じ位置で椅子に座った。
「じゃあ私から………まず、Aさんはこの世界から居なくなった事になっています。
先程言ったように、貴方はもう自由。基本なにをしても怒られない状況にあります」
ただ、と続ける。
「…残酷な話ですが、"表"の世界で彼女は生きているとバレた瞬間、貴方は次こそ、父親に殺されるでしょう。」
ヒュ、と喉から音が出た。
…次こそ、ということは、やっぱり私を殺そうとしたタイミングがあったということだろうか。
…………もしかしたら、彼ら4人が私を連れてきた日も……有り得るかもしれない。
「だから、Aは好きなことをしてもいいけどバレないようにはしなくちゃいけない。
実際ここにAが来たのも、あの日が暗殺の日だったから。
殺そうとしたらその娘が居なかった、それに気付いた父親は、
…消す対象がそもそもいないのなら、」
"もう居ないことにしよう"
ぺいんとさんの言葉に、手汗が滲む。
…そっか、やっぱりお父様は…。
悲しさもあって、怒りも滲んで、なんだか変な気持ちだ。
親から死んだことにされるなんて、そんなの考えたこともなかった。
「……別にAちゃんから会わなくたっていいんだよ。
あんな最低な人にわざわざ会わなくっても、別の道を選んで生きていくことだって出来るんだから」
しにがみさんの言葉に、肩が揺れる。
そう、別に会わなくたって生きていける。彼らがここに居てもいいと言ってくれるなら、私からわざわざ向かわなくてもいい。
……それでも、許せなかった。
なぜ私を殺す必要があったのか、なんで死んでいることにしたのか、
…あとは、私のことを愛していたのか。
最後のは完全にわがままだ。願っている回答を答えてくれるわけない。
分かっているのに、まだ断ち切ることの出来ていない父親からの偽の愛情を、まだ、まだ…と必死につなぎ止めてた。
小さく首を横に振って前を向く。
手は少し、震えていたけれどめいいっぱい空気を吸い込んだ。
「……私、戦いたい。……最後まで」
それを見た4人は、私の言葉に否定なんてしなかった。
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かめそん(プロフ) - 羽鶴さん» コメントだけでなくお気に入りにまで入れてくれてありがとうございます…！とっても嬉しいです！これからも更新頑張りますのでよろしくお願いします！ (11月11日 11時) (
レス) id: e5672cfe47 (このIDを非表示/違反報告)
羽鶴(プロフ) - 鳥籠の中面白かったです！夢主ちゃんが可愛いし、恋愛表現が無い所がお話を読みやすくてよかったです！お気に入り作者様に追加させて頂きますね、がんばってください！ (11月10日 16時) (レス) @page43 id: fcd2bda98b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：かめそん | 作成日時：2023年8月20日 13時
