11.この世界 ページ12
ぺいんとside
世界には表と裏がある。
それはきっと"普通"に過ごしていれば表だけだと信じ込むだろう。あるとしても漫画やアニメの中だけで、現実に隠れているとは到底考えずらい。
俺達はその幻のように扱われている"裏"の世界を知っている。そしてその裏を中心に生きていた。
裏というのは、つまり死が隣り合わせであり、気楽に生きていける世界じゃない。
それはどこにでも存在していて、片足でも突っ込めば引き込まれる世界。
「……結局病にしやがった」
「この感じじゃ警察もグルみたいだね。警戒強めないと」
リビングにある4Kのテレビモニターに、憎きあいつが当たり前のように娘を勝手に殺していた。
娘の暗殺計画。死ぬ予定時刻は彼女を攫った1時間後。
その前に彼女を屋敷から連れ出し、ここまで引っ張り出してきた。
俺らは確かに死と隣り合わせの世界で生きている。
そして、その死を"避ける"仕事をしているのだ。
マイクラという大きな組織の中の端くれ。
俺らは日常組と名を馳せて『罪なき人間を救う』仕事をしている。罪のある奴が生きて、罪のない人間が死ぬのは、俺らにとって許せない事だった。
罪のある奴に生きる資格などない。
躊躇もなく殺し、あとは残った人を助けるだけ。
その対象が今回、秋間財閥だった。
…ただ、秋間財閥は他のところと違って厄介なところがあった。
それは秋間家の父である秋間裕二は表世界でも有名な人だということ。
今まで裏側でしか活躍していない人ばかり指示を受けていたため俺達にとってこれは大きな、そして重い仕事だった。
「…とりあえずは何もしてないAが無事で良かったよ」
「…そうだね」
クロノアさんの頷きが見られたところで、俺たちは次の課題へと進む。
父を殺す……その前に、
「…どうやってAちゃんと信頼関係を築くかってところだよね」
「そうですね……あのニュースを仮に見てるのであれば、寧ろほっといた方がいいんじゃないかとも思いますけど」
「う〜ん……気持ちの整理も大切か…夕飯時まで待って、それからまた考えようか」
クロノアさんの提案に皆で返事をして、各々の仕事へと戻った。
・
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 77人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
かめそん(プロフ) - 羽鶴さん» コメントだけでなくお気に入りにまで入れてくれてありがとうございます…！とっても嬉しいです！これからも更新頑張りますのでよろしくお願いします！ (11月11日 11時) (
レス) id: e5672cfe47 (このIDを非表示/違反報告)
羽鶴(プロフ) - 鳥籠の中面白かったです！夢主ちゃんが可愛いし、恋愛表現が無い所がお話を読みやすくてよかったです！お気に入り作者様に追加させて頂きますね、がんばってください！ (11月10日 16時) (レス) @page43 id: fcd2bda98b (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：かめそん | 作成日時：2023年8月20日 13時
