特別の時間 ページ38
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無事に歌も、演奏も終えることができた。特にトラブルもなくって、むしろ今までで1番いい仕上がり。担任の先生はうるうると……あ、泣き始めた。
「…それでは、これから特別の時間になります」
先生の言葉に、みんなは一斉にステージから降りる。…もちろん私も。これは先生が提案してくれたもので、よいものにしようっていっぱい声をかけてくれた。
そこまで考えて、昨日の先生の言葉を思い出していた。
『きっと皆はもう大きいから、喜怒哀楽という言葉は知ってるかな。
喜ぶ、怒る、哀しい、楽しい……みんなそう感じるきっかけは人それぞれです。…だから真っ向から否定をしない。まずは受け入れてみましょう。それは感情だけじゃなく、人間関係でも、です。
どんな人がその人にとって大切か、産んでくれた親だけでなく兄弟や祖父母、または遠い親戚…それに血の繋がりがないひとまで、様々です。』
『だから、自分と違うからといってからかったり笑うなんてことしないでください。
みんな良い子です。担任の私からみたみんなは、まっすぐで、優しくて、色んなことに気づいてくれる。
それをどうか壊さないで。…先生のわがままです、でも、本当に綺麗なものだから。
……人には人の、違う"大切"があっていいんですよ』
そう笑って話す先生は、本当に優しい顔をしていた。
ステージから降りて、順番に先生の方に歩いていく。少しずつ前に行って先生と目が合えば、
「みんな来たね、海原さん」
「……はい！」
「じゃあこれ……頑張ってね」
渡された白い封筒。
私はそれをしっかりと受けとって、ぺいんとたちの居る方に歩き出した。
…先生は、私がクラスメイトをぶった時1番怒っていた。ぶった理由を上手く言わなかった私が悪かったけど、それでも納得できないところがあった。
今更昨日のことを言っても遅いんだよ、そう言いたかった。もっと早く先生がそれを言っていれば、男子たちもからかうことなんてなかったんだ。絶対。
……それでも、先生のあの笑顔をみたら反抗するなんて到底無理な話。
きっと本当に、自意識過剰かもしれないけど、先生は私たちのことが大好きなんだと思う。
だから、私もそれに応えられるように成功させたい。
それに今日は、大切な人に感謝をする日だもんね
きゅ、と上履きが床と擦り合う。
目が合った時、4人は驚きつつも優しい顔をしていた。
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かめそん(プロフ) - カケラさん» コメントありがとうございます！嬉しいお言葉ありがとうございます、、これからも更新頑張ります！ (2023年1月10日 14時) (
レス) @page40 id: e5672cfe47 (このIDを非表示/違反報告)
カケラ - いつもほっこりするお話ありがとうございます！癒しです。読んでてすごく優しい気持ちになれました！もうこれは優しい大人になるしかない！()これからも扉の隙間から応援してます！ (2023年1月10日 12時) (レス) @page40 id: 9df188f843 (このIDを非表示/違反報告)
かめそん(プロフ) - 憂夢さん» コメントありがとうございます！お話読んでくださって、嬉しいお言葉まで頂いて幸せです、、！ありがとうございます！ (2023年1月9日 16時) (レス) @page12 id: e5672cfe47 (このIDを非表示/違反報告)
憂夢 - 小説読ませていただいてます！かめそんさんの日常組の小説大好きです…！いつも素敵な小説をありがとうございます！！これからも応援してます！ (2023年1月9日 13時) (レス) @page38 id: e4847ea383 (このIDを非表示/違反報告)
かめそん(プロフ) - かにかまさん» 新年初のコメント拝見でとても幸せな気持ちになりました、、、！ありがとうございます。これからも更新頑張りますので読んでくださると嬉しいです！ (2023年1月1日 2時) (レス) id: e5672cfe47 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：かめそん | 作成日時：2022年12月2日 20時
