ゆめ ページ35
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ぱぱとままがいなくなったあの日が、夢としてまた出た。
どうして忘れたいと思うほど嫌な記憶は何年も何年もどこかで残り続けるんだろう。
「っ……！」
パッと目を開けた時、近くに誰も居なかった。
まるで私しか居ないみたいで、泣きたくなった。
私には最高の親がいるのに、いるはずなのに、目の前に居ないだけで一人ぼっちなんだと言われてるみたいで。
寝起きで頭がうまく回らなくて、熱のせいで足が上手く動かなくて、それでも私のそばには誰かがいる、という確信が欲しくって、のたのたとリビングの方に行く。
周りを見ていないせいか、足元にあった棚に足をぶつけたけど、それすら気にせず扉を開ければ驚いた顔でこっちに来るぺいんとと目が合った。
とても心配そうに見るぺいんとをみて、ひどく安心した。あぁ、やっぱり1人じゃない。大丈夫。
確かめるようにぎゅーってすると、ぺいんとは背中を優しく叩いてくれる。
それが本当に嬉しくて、いつかのままを思い出して、
涙があふれて止まらなかった。
ままとぱぱが夢に出てきたことを話すと、ぺいんとは眉毛を下げながらそっかぁ、出てきたかぁ、と笑っていた。バカにしてるとか、きっとそういうことじゃない。
なんて言えば分からないみたいな、そんな感じ。
「……ままとぱぱのこと話したから困った？」
「んー？…困ってないよ。Aが心配で夢に出てきちゃったのかなぁ、って考えてた」
「…なるほど、」
そんなことを話しながら、夢のせいで冷や汗たっぷりの寝巻きを着替えて、今度こそ布団に潜り込んだ。
布団の上からとん、とん、とリズム良くお腹を叩いてくれるぺいんとに安心して、うとうととまぶたが落ちる。
「ぺいんと、」
「んー」
「…起きるまでここに居てね、」
安心出来たけど、まだ不安。もうどこにも行かないで、消えないで、
そんな思いを彼に話すと、一瞬びっくりしてからもちろん。と笑ってくれた。
「じゃあ俺からも。
また夢にぱぱとままが出たら、俺達がちゃーんとAを守ってるから安心してください、って伝えてくれる？」
「…う、ん。わかったぁ…」
もう限界だった。少し軽くなった頭と熱、ぽかぽかの布団、そしてぺいんとがしてくれるお腹のぽんぽん。
もう夢の中、というところで、ぺいんとの「おやすみ」が聞けたような気がした。
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かめそん(プロフ) - カケラさん» コメントありがとうございます！嬉しいお言葉ありがとうございます、、これからも更新頑張ります！ (2023年1月10日 14時) (
レス) @page40 id: e5672cfe47 (このIDを非表示/違反報告)
カケラ - いつもほっこりするお話ありがとうございます！癒しです。読んでてすごく優しい気持ちになれました！もうこれは優しい大人になるしかない！()これからも扉の隙間から応援してます！ (2023年1月10日 12時) (レス) @page40 id: 9df188f843 (このIDを非表示/違反報告)
かめそん(プロフ) - 憂夢さん» コメントありがとうございます！お話読んでくださって、嬉しいお言葉まで頂いて幸せです、、！ありがとうございます！ (2023年1月9日 16時) (レス) @page12 id: e5672cfe47 (このIDを非表示/違反報告)
憂夢 - 小説読ませていただいてます！かめそんさんの日常組の小説大好きです…！いつも素敵な小説をありがとうございます！！これからも応援してます！ (2023年1月9日 13時) (レス) @page38 id: e4847ea383 (このIDを非表示/違反報告)
かめそん(プロフ) - かにかまさん» 新年初のコメント拝見でとても幸せな気持ちになりました、、、！ありがとうございます。これからも更新頑張りますので読んでくださると嬉しいです！ (2023年1月1日 2時) (レス) id: e5672cfe47 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：かめそん | 作成日時：2022年12月2日 20時
