プレゼント ページ24
パチリと目が覚めた。
寒くてもぞもぞとするけど昨日がクリスマスだったことを思い出して思いっきり起き上がる。
「プレゼントっ…!」
寝ぼけ眼で辺りを見れば、赤い包装が枕元に置いてある。
「わぁっ……!ちゃんと来てる…!
ぺいんと〜!!!クロノア〜!!」
いつも起きている2人に呼びかけながらリビングに行けば、眠そうな顔で私のことを見ていた。
「みてみてっ!プレゼント!ちゃんと来たの!」
「おぉ〜よかったな…んで、欲しかったもん届いたの?」
包装を丁寧に外していけば、中から出てきたのは半月前くらいに話していたゲーム。
キラキラと輝いて見えるそれに、私はおぉ……!と言葉が溢れた。
そのまま私はゲームを抱えながらテーブルまで行く。
昨日しにがみにホット牛乳を作るように言ったけど、それも飲んでくれたかな。
赤色のコップを覗き込めば、綺麗さっぱり消えていて、少しだけ牛乳の跡が残っていた。
「……飲んでくれてる」
「…んで、サンタさんどっから来たと思う?」
ぺいんとに投げかけられた質問に、私は考えた。
暖炉から来るって言うけど、私の家には無いし…
トナカイにひっぱられながら来るなら、玄関…とか?
「…んじゃ、玄関みてみっか」
「…え?げ、玄関を?」
おう、と返事をしたぺいんとに手を掴まれて玄関まで歩く。
「…ほら、これ。誰の足跡かね」
「…え、えっ!
サンタさん?!」
それは初めて見たサンタさんの足跡。
やっぱり来たんだ…!サンタさんっているんだ!
私は嬉しくて嬉しくて、ぴょんぴょんと飛び跳ねながらしにがみとトラゾーの寝室へと走り出した。
「サンタさんはいるんだ〜!!」
大きなゲームを抱えながらしにがみとトラゾーの上に覆い被されば、ぐへ、と情けない声が布団の中で聞こえた。
「ヴッ……よ、よかったねAちゃん…」
「朝から元気……
んぁ、ほしかったやつ?それ」
トラゾーの言葉にうん!と頷くと、嬉しそうに私を抱きしめてくれた。
ジョリジョリとする髭が痛いけど、起きたばかりのトラゾーは温かくて、うとうととまたまぶたが重くなる。
「んぅ……ゲーム、したい……」
「ふ、あとでな。
今はもっかいおやすみ」
そんなぺいんとの声が聞こえて、私はもう一度眠りについた。
トラゾーと私の間にあるプレゼントを抱えながら___
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かめそん(プロフ) - カケラさん» コメントありがとうございます!嬉しいお言葉ありがとうございます、、これからも更新頑張ります! (2023年1月10日 14時) (レス) @page40 id: e5672cfe47 (このIDを非表示/違反報告)
カケラ - いつもほっこりするお話ありがとうございます!癒しです。読んでてすごく優しい気持ちになれました!もうこれは優しい大人になるしかない!()これからも扉の隙間から応援してます! (2023年1月10日 12時) (レス) @page40 id: 9df188f843 (このIDを非表示/違反報告)
かめそん(プロフ) - 憂夢さん» コメントありがとうございます!お話読んでくださって、嬉しいお言葉まで頂いて幸せです、、!ありがとうございます! (2023年1月9日 16時) (レス) @page12 id: e5672cfe47 (このIDを非表示/違反報告)
憂夢 - 小説読ませていただいてます!かめそんさんの日常組の小説大好きです…!いつも素敵な小説をありがとうございます!!これからも応援してます! (2023年1月9日 13時) (レス) @page38 id: e4847ea383 (このIDを非表示/違反報告)
かめそん(プロフ) - かにかまさん» 新年初のコメント拝見でとても幸せな気持ちになりました、、、!ありがとうございます。これからも更新頑張りますので読んでくださると嬉しいです! (2023年1月1日 2時) (レス) id: e5672cfe47 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:かめそん | 作成日時:2022年12月2日 20時